ワールドカップ 2023.10.15

アルゼンチンが準決勝進出! ウェールズとの熱闘を制し8年ぶり3度目のトップ4入り

[ 編集部 ]
アルゼンチンが準決勝進出! ウェールズとの熱闘を制し8年ぶり3度目のトップ4入り
終盤、ニコラス・サンチェスが勝利を引き寄せるトライを決め、歓喜のアルゼンチン(Photo: Getty Images)


 日本代表を下してノックアウトステージに進んだ南米最強のアルゼンチン代表“ロス・プーマス”が、フランスのマルセイユで現地時間10月14日におこなわれたラグビーワールドカップ2023の準々決勝でウェールズ代表との熱闘を29-17で制し、8年ぶり3度目のトップ4入りを決めた。

 先制したのは、世界ランキングがひとつ上(7位)のウェールズだった。序盤のがまん比べを乗りきると、前半14分、CTBジョージ・ノースがディフェンスを破り、ポップパスをもらったSHガレス・デーヴィスがゲインし、さらにSOダン・ビガーにつないでトライを挙げた。コンバージョンも決まり、21分にはペナルティゴール(PG)で加点。

 一方、やや押され気味だったアルゼンチンは、39分にPGで3点を奪い返し、ハーフタイム前にもSOサンティアゴ・カレーラスの好走で敵陣に入って攻撃を繰り返しトライは奪えなかったものの、相手に不正なプレーがあったため再びショットチャンスをつかみ、WTBエミリアーノ・ボフェリが決め4点差に詰めて折り返した。

 流れを変えたアルゼンチンは後半の入りがよく、早々にPGで加点。48分(後半8分)にもディフェンスで奮闘して相手の反則を引き出し、ボフェリが自陣から約55メートルのPGを決め逆転した。

 2大会連続の準決勝進出を目指すウェールズも踏ん張り、55分、敵陣深くに入ってフェイズを重ね、プレッシャーをかけられたものの、俊敏なSHトモス・ウィリアムズがラックから持ち出すと、ダミーで相手を惑わしギャップを突いてそのままゴールへ走り抜け、再びリードを奪った。

 12-17とされたアルゼンチンは、再三のチャンスをウェールズの堅守に阻まれていたが、68分にゴールに迫ると、巨漢のPRホエル・スクラビがピック&ゴーでインゴールにねじ込み、同点。ボフェリがコンバージョンを決め、再逆転となった。

 74分、ウェールズは23番をつけたリオ・ダイヤーのブレイクからチャンスを広げ、ボールをつないでWTBルイス・リースザミットがゴール左隅に飛び込んだが、カバーディフェンスに戻っていたアルゼンチンのCTBマティアス・モローニが懸命のタックルでトライを阻止。

 リードを保ったアルゼンチンはその後もPRエドゥアルド・ベッロがジャッカルを決めるなど粘り強いディフェンスでピンチをしのぐと、77分にはウェールズがハーフウェイ付近のスクラムから展開したところ、ベテランのSOニコラス・サンチェスがインターセプトしてゴールへ走りきり、コンバージョンも決まって大きな7点獲得となった。そして、試合終了間際にはPGでだめ押しとなり、アルゼンチンが歓喜の瞬間を迎えた。

 敗れたウェールズのFLジャック・モーガン主将は、「相手がフィジカルを活かしてくることはわかっていて、我々はそれに対抗するだけだったが、規律といくつかのミスが自分たちを苦しめた」と振り返る。アルゼンチンにポゼッションを持たせる時間が長くなって失点を重ね、残念な結果となった。

 一方、勝ったアルゼンチンのHOフリアン・モントージャ主将は、「まずアルゼンチン国民全員に感謝したい。自分がアルゼンチン人であることがとても誇らしく、このカラーを着ることをとても誇りに思う」と喜びを語った。「ウェールズはいつも通り本当に良いチームで、タフなチームだ。接戦になることはわかっていた。我々は何事にも全力で戦うチームでありたい。ピッチの15人や23人だけでなく、チーム全員の努力で勝ちとった勝利だ。完璧には程遠いが、(準決勝以降の試合がおこなわれる)パリに行く。このチームとあと2週間。私はこのチームを誇りに思っている」。アルゼンチンのワールドカップ最高成績は2007年大会の3位。新たな歴史を作ろうと燃えている。

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