日本代表 2023.10.06
【再録・解体心書⑤】毎日願うこと。アマト・ファカタヴァ&タラウ・ファカタヴァ

【再録・解体心書⑤】毎日願うこと。アマト・ファカタヴァ&タラウ・ファカタヴァ

[ 編集部 ]

 キャンパスライフは、慣れた部分もあれば、慣れない部分もある。
 2人が通うのは外国語学部。4年生になって、1、2限目の授業が週3、4日ある。テスト前は寮の食堂で課題に向かうこともあるし、大学の図書館で勉強することもある。

 ただ大学の友達は決して多くないのだという。
「あんまり友達はいない。ラグビー部だけ(笑)」(タラウ)

 キャンパスには、筋骨隆々の男子が好きな女子もいると思うが…。
「日本の女の子は、筋肉がきらい。怖いからだと思う(笑)」(タラウ)

 いくらスポーツマンが好きな女子大生でも、さすがに身長195㌢、体重120㌔の双子は迫力があり過ぎるのかもしれない。

 2人は将来、プロのラグビー選手として生きていきたいと考えている。

 大学4年になって、現行の代表入りの条件である3年以上の継続居住は満たしていることになり、サクラのジャージーも意識している。

 日本代表入りの希望について尋ねた。
「チャンスがあれば、(日本代表に)入りたい」

 ツインズらしく、同じ答えが返ってきた。
 では、もしもトンガ代表から招集がかかったら?

「ちょっと難しいです。トンガ代表に入ると、トップリーグでプレーすることが難はると思う。将来のこともあるので、日本代表の方が良いです(笑)」(アマト)

 2人にとって、トップリーグは最も身近な憧れの舞台。憧れのトンガ出身選手は、フェツアニ・ラウタイミ(トヨタ自動車)、シオネ・テアウパ(クボタ)、ヘル ウヴェ(ヤマハ発動機)らだ。

 ラグビーは2人にとって特別なのだから、試合には特別な心構えで臨んでいる。
 2人には試合前夜のルーティンがある。母から贈られた聖書をたずさえ、ベッドに入り、ある一節を読み上げるのだ。

「試合前の夜は、ベッドで聖書を読みます。小さな声で」(タラウ)

 読む箇所は、638ページの第8節と決まっている。「Mou kamata kihe ‘Eiki’ ‘oilo ‘oku sai〜」から始まる一文だ。神を信じることの大切さが書かれている。ただ、本当の意味はトンガ人じゃないと分からないと思う、とアマトは言う。

 母ヴィカさんは、毎晩祈ることを2人に言いつけ、日本へ送り出した。試合前夜のルーティンは、トンガに暮らす母とつながる大切な時間でもある。

 大東大で育った2人が迎える、大学ラストシーズン。最強の双子は大東大の栄光を祈っている。

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