日本代表 2023.10.05
【再録・解体心書④】19歳の開拓者。福井翔大

【再録・解体心書④】19歳の開拓者。福井翔大

[ 編集部 ]

 迎えた2年目。目指しているのは先発だ。昨季、先発で出場したのは練習試合のNTTコム戦とNEC戦だけ。

「6月のカップ戦は代表選手も抜けているので(先発を)狙ってます。試合に出たくてたまらない。練習も、最初はついていくだけだったのが、いまは練習内容を楽しめているし、“ここはこうしよう”と考える余裕が出てきた。若い力でチームを変えて、パナを優勝させたい」

 今は毎日が楽しい。何より好きなだけ練習が出来る。去年着ていた試合ジャージーが、すでにピチピチになってきたのも嬉しい。2年目の日々を「いま、苦がない。僕にとって無駄がないんです」と断言する。

「プロになってすごくよかったと思っています。身体もでかくなったし、色々な考え方の人に会うことが出来た。同年代だけでは絶対出来ない経験が出来ている」

 トップレベルの練習に慣れてくると、ユース合宿とのギャップも感じるようになってきた。

「コンタクトレベルが全然違うし、スキルも違う。U20の合宿から戻ってパナの練習に参加したら、慣れてるはずでしたけど、正直、うわっと感じた。最初ついていけなくて、おいてきぼりにされて…。ちょっとショックでした」

 影響を受けた人物として名前を挙げるのは、昨季所属していたFLマット・トッド。 

「トディは人間性もプレーも、全部が素晴らしくて、NZに帰ってしまうときはすごく寂しかった。彼に会えたのは、僕の人生の宝。みんな、“ポーウィー(デービッド・ポーコック)もすごいよ”って言うんですけど、僕は全然知らなくて。会うのが楽しみです」

 一緒に練習しているのが現役オールブラックスでは、違いを感じるのも無理はない。もちろん、ユースの重要性も楽しさも分かっている。

「同年代でやると、同窓会みたいで楽しい」

 人生はタイミングだ。3年で高校日本代表に選ばれて同じことを感じても、すでに決まった進路は変えられない。福井は2年生で選ばれたから、トップリーグという選択肢が生まれた。若くして頂を垣間見た人間が、より高いレベルに身を置きたいと願うのは、自然なことだろう。カップ戦を逃すと、もう今年の試合はないのだ。

「よく周りから“まだまだ先は長いんだから、急がなくていいよ”と言われます。でも、去年があまりに楽しくて刺激的で早く終わり過ぎて、“このままだと、すぐ引退しちゃうんじゃないか”と焦ってます」

 まずはパナで通用する選手になること。代表云々は、その先だ。

「将来のことはまだ漠然としています。まずは目先のことを考えようと。そうしたら、必然的にいろんなことがついてくる。今あるベストを出そうと思っています」

 U20に関しては、これからじっくり考えて結論を出すという。どちらの道を選ぼうと、目指すゴールは変わらない。

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