フィジーがジョージアとの接戦に逆転勝ち 16年ぶりのW杯8強入りに王手
ボルドーで最高の歓喜とはならなかったが、フィジー代表がラグビーワールドカップで16年ぶり3度目の準々決勝進出へ王手をかけた。2023年フランス大会でプールCに入ったフィジー代表は、現地時間9月30日にスタッド・ド・ボルドーでジョージア代表と対戦、9点ビハインドで折り返す厳しい戦いとなったが、17-12で逆転勝ちし、これで2勝1敗となった。
4トライ以上で与えられるボーナスポイントには届かず、総勝点10となり、最終節の結果次第では現在3位のオーストラリア代表が上回る可能性はあるが、2戦目でそのオーストラリアを倒したフィジーが圧倒的に優位で、自力で準々決勝への切符をつかむ目前まできた。
序盤はジョージアに勢いがあり、フィジーはミスと反則が続いてペナルティゴール(PG)を許した。
先制したジョージアは、18分にはブレイクダウンで圧力をかけてフィジーの反則を引き出し、WTBダヴィト・ニニアシヴィリが57メートルの距離からロングショットを成功。
ジョージアは粘り強いディフェンスでもフィジーにプレッシャーをかけ続け、31分にも赤いジャージーの背番号11がハーフウェイからPGを決めた。
ジョージアの勢いは増し、40分のピンチをしのいでからのカウンターは惜しくも最後にフォワードパスでトライとはならなかったが、世界ランキングでは6つ上(8位)の格上フィジーを苦しめ、9点リード(前半は無失点)で折り返した。
後半早々、フィジーは不正なプレーをした選手にイエローカードが出て悪い流れは続いたが、数的不利の時間帯を耐え、51分(後半11分)、ラインアウトスチールから攻め込み、キャプテンのCTBワイセア・ナヤザレヴがタックルを受けながらもタッチライン際で踏ん張り、コーナーにトライを決めた。コンバージョンも成功、7-9となった。
そして65分、ジョージアの反則でPGチャンスを得、SHフランク・ロマニが決めて逆転する。
その後、フィジーは相手の反撃に耐え、68分、ハーフウェイのモールから持ち出したHOテヴィタ・イカニヴェレの力走で敵陣深くに入ると、連続攻撃でFLレヴァニ・ボティアが突破してチャンスメイクし、オフロードパスをもらったWTBヴィナヤ・ハンボシがインゴールに持ち込み、大きな追加点となった。
試合終了間際、ジョージアはPGで5点差に詰め、リスタートがあり、逆転を狙う赤いジャージーは自陣深くから攻め上がって無人の広いスペースへキック&チェイスで勝負をかけたが、フィジーのFBイライサ・ドロアセセが懸命に戻って外に蹴り出し、直後にフルタイムの笛が鳴って激闘は終わった。
競り勝ったフィジーのサイモン・ライワルイ ヘッドコーチは、「正直に言うと、前半は完敗だった。ハーフタイムに『基本に戻ろう。アドバンテージラインを獲得し、ボールを保持して相手にプレッシャーを与えよう』と話した」と振り返る。対戦相手のジョージアがすばらしかったと称え、それでも、「きれいな試合ではなかったが、結果は残せた」と勝利を喜んだ。
準々決勝進出へ王手をかけたフィジーは、現地時間10月8日にトゥールーズでポルトガルと対戦する。
キャプテンのナヤザレヴは、「歴史を作るチームになりたいと思っている。目標に向かって、一歩ずつ進めていく」とコメントした。