アルゼンチンがW杯・南米対決でチリを圧倒 日本を抜いてD組2位に浮上
ラグビーワールドカップ2023のプールDで、準々決勝進出への2つ目の枠を日本代表と争うアルゼンチン代表が、9月30日にナント(フランス)でおこなわれたチリ代表との南米対決を59-5で快勝し、2位に浮上した。トライ量産によるボーナスポイント獲得で日本と総勝点で並び、得失点差で上回った。
アルゼンチンに先制点をもたらしたのは、この試合で代表100キャップとなったベテランSOのニコラス・サンチェスだった。前半9分、10番をつけたサンチェスは敵陣10メートルライン付近からランで仕掛け、タックラーを次々と振りきりそのままゴールへ走りきった。2015年のワールドカップ得点王でもあるサンチェスは、この日蹴った7本のゴールキックをすべて成功し、ひとりで20得点の活躍だった。
アルゼンチンは、16分にはラインアウトからモールで押し込み追加点。ブレイクダウンでも圧力をかけて主導権を握り、23分にもラインアウト・モールでトライを挙げた。
前半、イエローカードで1人を欠いた時間帯もあったアルゼンチンだが、スクラムでも強さを発揮するなど、テリトリーを7割以上支配して優勢に試合を進め、24-0で折り返した。
ワールドカップ初出場のチリにとっては今大会最後の試合で、意気込みは強かったに違いないが、後半早々、カウンターでFBイニャキ・アヤルサ、CTBマティアス・ガラフリッチ、SOロドリゴ・フェルナンデスの好走が続いて勢いづき敵陣深くに入るも、得点につながらず。51分(後半11分)にはラインアウトからサインプレーを決め、FLクレメンテ・サーベドラから折り返しのパスをもらったHOアウグスト・ボフメが突進してタックラーを弾き飛ばし、会場は沸いたが、TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)でスローフォワードが確認され、トライは認められなかった。
それでも、終盤の73分、チリは敵陣深くに入ってラインアウトからモールを組み、バックスも加わって懸命に押してゴールラインを越え、目標とする南米王者からトライを奪い、歓喜した。
しかし、アルゼンチンは最後までレベルの違いを見せつけ、今大会過去2試合の得点力不足が嘘だったかのようにトライを重ね、計8トライで大勝となった。
勝ったアルゼンチン代表のマイケル・チェイカ ヘッドコーチは、10月8日におこなわれる日本代表との大勝負へ向け、「彼らは素晴らしいチームで、前回のワールドカップでは準々決勝に進んだチームだ。しかし、我々はそうではないので(プールステージ敗退)、そのポジションに立つことに非常に飢えている」とコメントした。