女子 2023.02.05

フェニックス、終了直前の逆転トライで初V!「自分たちの強み、80分間出し切れた」(鈴木実沙紀主将)

[ 編集部 ]
フェニックス、終了直前の逆転トライで初V!「自分たちの強み、80分間出し切れた」(鈴木実沙紀主将)
ゴール前で相手ディフェンスのスペースを狙う鈴木実沙紀主将(撮影:斎藤 豊)

「自分たちの強みは、ボールをスペースに動かして攻めること。適した人に、適したかたちでボールを渡すこと。それが最後までできた」

 優勝キャプテンの鈴木実沙紀が、ラストプレーでWTBニア・トリバーをインゴールまで走らせたアタックに、それまでの力強いディフェンスに、胸を張った。

 2月5日、第9回全国女子選手権が決勝を迎え、小田原市城山競技場で東京山九フェニックスと日本体育大学ラグビー部女子が対戦した。27-24でフェニックスが日体大を破り、単独チームとして同チーム初の優勝を飾った。

前半終了前に1トライを返し、勝負を繋いだフェニックス (撮影:斎藤 豊)
インジャリータイムに逆転トライを決めたフェニックス(撮影:斎藤 豊)
フィジカル、スキル、戦術の限りを尽くして立ち向かった日体大。中央は向來桜子(撮影:斎藤 豊)

 試合は、フェニックス7-12日体大で折り返すとその後の20分間で目まぐるしく主導権が行き来した。開始2分にトライを刻んだのは5点を追うフェニックス。中盤から左右にボールを振って、SO黒川碧から短いフラットなボールを受けたHO柏木那月が相手ディフェンスに深く食い込む。これが起点となるトライで12-12に。後半9分には日体大が再び勝ち越し。キックミスから大きく前進して起点を作ってのトライ(G成功)で、フェニックス12-19日体大に。その後も互いに幅広い攻めでトライを奪い合って、フェニックス22-24日体大に。残り約10分で2点差という息を呑む展開になった。

 フェニックスはその後、ラインアウトなどで苦しんでミスを重ね、リードした日体側がボールを保持する局面が続いた。あと2分、あと1分。日体大ベンチから背中を押す声が響く中、日体大が密集で痛恨のノックオン。フェニックスのラストアタックが自陣から始まった。場内の時計は40分を過ぎて、ホーンが鳴った。フェニックスは自陣22㍍から、ボールを出し続けて、WTBニア・トリバーが左ライン際で2度、突破シーンを作って、最後はタッチ際を走り切り、左隅に飛び込んだ。フェニックス27-24に。ゴールは外れ、ノーサイドとなった。

 日体大も終了直前までは勝者だった。古賀千尋監督は「選手は、準備したことを、最後までやり切ろうとしてくれました。よくやった。後悔はありません」と潔く結果を受け入れ、選手たちを称えた。

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