王座奪還狙う東福岡が大勝発進。秋田工、東海大相模、大阪桐蔭も元日の戦いへ。

　春の選抜大会決勝は新型コロナウイルスの影響で無念の出場辞退となった東福岡高校（福岡）が、冬の花園で開催される大舞台、全国高校ラグビー大会で6季ぶりの王座奪還へ向け、初戦から強さを見せた。12月30日の2回戦に登場すると、開志国際高校（新潟）を61－7と圧倒した。

　東福岡は序盤、接点でプレッシャーをかけて相手の反則を引き出し、敵陣深くに入ると、ラインアウトからモールで一気に押し込み先制した。5分にはキックチャージからWTB上嶋友也がチェイスに競り勝ちトライ。16分にはスクラムからの攻撃でランナーがタテを突いたあと、リサイクルしてNO8藤井達哉がゴールラインを割った。東福岡ペースは続き、21分にはFL中川一星のラインアウトスチールからすばやくワイドにボールを回し、WTB上嶋がタックルを2つ外してインゴールに持ち込んだ。さらに、25分にはハイパントを使った攻めをWTB隅田誠太郎がフィニッシュし、リードを拡大。

　27－0で折り返した東福岡は、後半はアタマからメンバーを大幅に入れ替えたが、リザーブの選手たちも躍動して4トライを追加した。

　一方、開志国際はディフェンスも武器とする東福岡に対し、後半18分、FB星遥大が果敢なタックルでプレッシャーをかけ、仲間もサポートについてターンオーバーに成功する。そして、SO中島優大が蹴ったボールがインゴールに入りバウンドして東福岡の選手を戸惑わせたところ、チェイスしていたCTB冨田優斗が押さえてトライを決め、初勝利を挙げた今大会でもう一つ自信をつけ、チャレンジを終えた。

　優勝候補の東福岡に1月1日の3回戦で挑むことになったのは、東北の古豪・秋田県立秋田工業高校だ。2回戦で東海大学付属静岡翔洋高校と対戦し、32－7で制した。

　秋田工は前半5分、カウンターラックでボールを奪い返して敵陣深くに入り、主将のSO鈴木颯太がディフェンス裏に蹴ったボールをFB黒澤航希がインゴールに押さえ先制した。さらに、ペナルティゴールで加点したあとの24分には、CTB金森皇成から飛ばしパスをもらったWTB菅生聖弥がタックラーをかわしてゴールへ走り切り、追加点。29分にはショートサイドを次々とつなぎ、SH伊藤大翔がフィニッシャーとなった。

　20－0で折り返した秋田工は、後半のキックオフ直後にプレッシャーをかけてボールを奪い返し、一気に攻め込んでFB黒澤がトライを決めた。そして、4分にはモールのロングドライブで追加点を奪い、リードを広げた。

　一方、大差をつけられた東海大静岡翔洋。それでも、最後までチャレンジし続け、試合終了間際に敵陣深くに入ってラインアウトを得ると、年間通じて鍛えてきたモールで押しきってトライを獲得し、歓喜。そして、副将の3年生FB山口航太朗がコンバージョンを決め、7点を刻んだ。