国内 2022.12.06

トップイーストAの王者は東京ガス。秋田ノーザンブレッツも最終戦で“粘闘”

[ 多羅正崇 ]
トップイーストAの王者は東京ガス。秋田ノーザンブレッツも最終戦で“粘闘”
東京ガス×秋田ノーザンブレッツの空中戦。(撮影/多羅正崇)
後半14分、秋田は齊藤拓也のトライで歓喜。(撮影/多羅正崇)
試合の序盤、東京ガスはスクラムでペナルティを奪う。(撮影/多羅正崇)
コカ・コーラから秋田へ移籍の先発PR徳重元気(右)。(撮影/多羅正崇)



 東日本の社会人リーグ王者は東京ガスだ。

 トップイーストAグループは、東日本の社会人トップ5(東京ガス、ヤクルトレビンズ、横河武蔵野アトラスターズ、セコムラガッツ、秋田ノーザンブレッツ)が、ホスト&ビジター制で1チーム8試合を戦い、勝点制で争う。

 12月3日(土)は、6戦全勝だった東京ガスが本拠地(東京ガス大森グラウンド)で7敗の秋田を迎え撃ち、37−15で勝利。ヤクルトとのリーグ最終戦を残し、勝点30で優勝を決めた。

 快晴の大森グラウンドで、まずはホストの東京ガスが、今季大きな武器になっているスクラムから主導権を握った。

「秋田さんは身体も大きくてスクラムにも自信を持っていると思います。僕らは身体は大きくはありませんが、低く強く前に出る、というスクラムが今日は出せたかなと思います」(東京ガス・HO小川一真)

 東京ガスは開始早々のスクラム戦で、相手のペナルティを誘発。コカ・コーラから移籍のPR徳重元気(182センチ)らを擁する秋田に対してプレッシャーを掛けた。東京ガスはこのペナルティから敵陣深くに入り、前半3分、モールから帝京大卒のHO小川が先制トライを決めた。

 東京ガスはその後規律の乱れた秋田に対し、中瀬真広監督が「大きな武器」とキック力を讃えるFBトーマス・ベルの2PGで6点を追加。リードを13点とした。

 しかし秋田も反撃。186センチの大型SOカーティス・リードが前半22分にショートサイドの急襲から、独走トライ。5点差(7−13)に詰めた。

 秋田は粘り強く戦った。前半35分にサンウルブズでもプレーした東京ガスのCTBタシ・タウタラタシにトライを奪われたが、前半終了前にもPGで加点。前半を10点ビハインド(10−20)で折り返した。

 10月の対戦では39点差(11−50)で負けている東京ガスに対し、ビジターながら食らいつていく秋田。

 迎えた後半6分、敵陣でキャリアーがボールをもぎ取られて逆襲を受け、ふたたびビハインドを17点(10−27)に広げられたが、後半14分だった。

 敵陣でのサインプレーから群馬・明和県央高卒の齊藤拓也が鮮やかに突破。そのままインゴールへ飛び込み、12点差(15−27)とじわり迫った。

 しかし秋田は敵陣22m内の自軍投入ラインアウトでたびたびボールを失うなどし、追撃できず。一方の東京ガスは1PGを追加していた後半32分、ゴール前に攻め込めこむと、途中出場のSH山岡篤樹からCTBタシ・タウタラタシが走り込み、この日自身2トライ目。

 最終スコアは37−15。東京ガスの中瀬監督は「選手、スタッフがハードワークしてきた成果を出すことができたと思います」と語った。

 チームはリーグワン参入を視野に入れており、中瀬監督は「私の役割は、東京ガスラグビー部をリーグワンで闘えるチームにすること」と覚悟を示す。もちろんリーグ戦は終わっておらず、今季は3地域の社会人リーグ王者が激突する「3地域社会人リーグ順位決定戦」もある。

「結果的に今日リーグ優勝を決められたことで、チームは大きく前進することができたと思います。来週は去年敗れているヤクルトレビンズさんに対して全力でチャレンジしたいと思います」(東京ガス・中瀬監督)

 一方、リーグ戦で白星を挙げられなかった秋田だが、7点差以内の敗戦は今季3試合もあった。

 総勝点は「3」。これは7点差以内の負けに与えられるボーナス1点を積み上げたものだ。しかも3試合全てが、後半ロスタイムの得点によるボーナス点獲得だった。

 秋田の勝点3は、いわば最後まで戦い続けた勲章。秋田ノーザンブレッツの古屋亮太GMは選手の想いを代弁した。

「チームは9月に公式戦が始まってからずっと成長を続けていました。やってきたことをグラウンドで出したい、やるべきことをやろうとした結果が(後半ロスタイムの)トライに繋がっているかなと思います」(秋田・古屋GM)

 トップイーストAで最下位(5位)となった秋田は今後、Aリーグ残留を懸けた大一番へ向かう。Bリーグ1位との入替戦だ。


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