ともに開幕3連勝。慶大は「やりたいことやれた」。早大は102得点。
黒黄と赤黒で計23トライ、150点を奪った。
10月23日に熊谷ラグビー場でおこなわれた関東大学対抗戦Aで、慶大と早大がともに大勝した。
慶大は青学大と戦い48-10と完勝した。早大は日体大から102得点。相手を無得点に封じた。
両チームとも、今季開幕から3連勝となった。
第1試合、ロータックルでロースコアに持ち込みたい青学大に対し、慶大は先手をとって相手のペースを崩した。
先制点は3分。PKで前進し、ラインアウトからのモールを押し切った。
さらに20分までに2トライを追加した。
12分はラインアウトからのアタック。ショートキックの処理を相手がミスしたところにつけ込んだ。左に展開し、最後はWTB佐々木隼が個人技でインゴール左隅に入る。
20分には相手のラインアウトの乱れから攻め、つないだ。
トライラインを越えたのはHO中山大暉。好サポートから生まれたトライだった。
17-0とした後にモールから1トライを返されるも、前半終了間際には力強いスクラムからボールを動かした。
SO中楠一期が狭いスペースに切れ込んでゴールポスト付近に飛び込む。24-5としてハーフタイムに入った。
結果的に後半の40分も前半と同じスコア、24-5とした慶大は、危なげのないパフォーマンスを80分見せ続けた。
今野勇久主将(FL)はコンディションが整わず、この日は欠場した。
代わりにゲームキャプテンを務めたCTB鬼木崇(副将)は、「特にディフェンスのブレイクダウンでターンオーバーできたことが一番の収穫」と話した。
2トライを奪い、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたNO8髙武俊輔は、「自分たちはチャレンジャーということをあらためて認識して臨んだ試合だった」と話し、「相手よりひたむきにプレーしようという思いが結果に結びついた」とした。
栗原徹監督も、今季ここまでの試合とは違い、「自分たちのやりたいプレーができた」と選手たちを労った。
「お互いディフェンスが売りのチーム。その中で、しっかりと自分たちからディフェンスできる状況を作るのが大事だった」と振り返った。
第2試合は、早大が16トライ(前半5、後半11)の猛攻を見せた。
10選手がインゴールに飛び込み、前半5分に先制点を決めたHO佐藤健次は、ひとりで4トライを奪った。
ラインアウトの精度に満足はできないだろうが、早大はセットプレーをはじめとした各局面で圧倒した。
大田尾竜彦監督が特に評価したのは、最後の最後まで集中力高く戦い抜けた点だ。ラスト20分で7トライ、45点を奪った。
この試合のテーマは『仕留める』。指揮官は、春シーズンからラスト20分に弱さを感じていた。
この日は、得点するだけでなく、タックル、ジャッカルなど、プレーの結末を大事にプレーする意識を求めた。
「ブレイクダウンでスピードがあり、仕事の質(の高さ)が見えた。途中出場の選手たちも含め、締めるところを締め、ラスト20分もしっかりしたプレーをしてくれました」
大田尾監督は、「上から見ていて、選手たちがやるべきことをクリアにして戦っているのが分かりました。得点以上に収穫があった」と話した。
ゲームキャプテンを務めたSO吉村紘も、「細かいミスはありましたが、点差が開いた後も最後まで集中力高く戦い、準備してきたことを出せました」とチームのパフォーマンスを振り返った。
「やり切るという点で、前節より(チームが)成長したように感じました」と手応えを得たようだった。