ワールドカップ 2022.09.13

「世界で戦えるチームになった」と指揮官自信。ラグビーW杯に挑む女子日本代表メンバー決定!

[ 編集部 ]
「世界で戦えるチームになった」と指揮官自信。ラグビーW杯に挑む女子日本代表メンバー決定!
世界最高峰の舞台に挑むラグビー女子日本代表“サクラフィフティーン” ©JRFU


 新型コロナウイルスが世界的に大流行した影響で1年延期となった「ラグビーワールドカップ(RWC)2021」が来月、ニュージーランドでキックオフを迎える。女子15人制ラグビーの最高峰舞台。開幕まであと25日となり、2大会連続5回目のワールドカップ出場となる女子日本代表“サクラフィフティーン”の大会登録メンバー32人が発表された。

 元女子カナダ代表のレスリー・マッケンジー氏が2019年1月にサクラフィフティーンのヘッドコーチ(HC)に就任して以来、109人の選手が代表活動に参加してきた。浅見敬子ナショナルチームディレクターいわく、前回の2017年ワールドカップ時は、日本の国際的な経験値は最低レベルだったが、強化費は10年前と比べて8倍に増え、マッケンジー体制となってから海外遠征は5回(RWC2021のニュージーランド遠征を含む)実施、かつてはアジアの国と対戦することが多かったが、ヨーロッパの強豪や世界ランキング5位(当時)だったオーストラリア代表ともテストマッチをおこなえるようになった。重ねた合宿の数は27回、集合日数は約280日。長い道のりを経て選ばれた選手たちがワールドカップに挑む。

 浅見ディレクターは9月13日の会見で、「2019年からレスリー ヘッドコーチが本当に丁寧にチームを強化し続けてくれた。その真価がいよいよ発揮できる舞台に挑むということで、チーム全員嬉しく思っている」と語った。

 現在、長野県・菅平で実施中の強化合宿には36選手が参加。そこから32人に絞られた。

「選抜した32人に関しては、私たちがプレーしたいスタイルを実現できる選手を選んだ」とマッケンジーHC。「ワールドカップは非常にフィジカルな大会になると予期しているが、おそらく、日本は最もサイズが小さいチームなので、その分、強靭であることが求められる。けがやその他の理由で誰かが欠けたときにしっかりカバーできる32人を選んだ。あと、もう一つの要素としては、トレーニング中にしっかりモメンタム(勢い)を与えてくれた選手を称賛したいという気持ちもあってセレクションをした」

 23人にとっては初めてのワールドカップ。主将のPR南早紀、PRラベマイまこと(旧姓・江渕)、LO高野眞希、FL長田いろは、ユーティリティFWの鈴木実沙紀と齊藤聖奈、SH津久井萌、SO/CTB山本実、そしてCTB鈴木彩香は前回大会を経験している。

8月20日のアイルランド戦で30キャップ目となった齊藤聖奈を祝福するレスリー・マッケンジーHC ©JRFU

「ヘッドコーチに就任してから目標に掲げていたのは、このワールドカップに向けての選抜の過程が非常にチャレンジングになるように今まで指導してきた。ポジションで人を選ばなければいけないときに、難しいことに直面するようにスコッドの人数も増やしてきたし、選手たちのフィジカルを上げてハイレベルな戦いをすることを目標としてきた。なので、いまこの段階で、完ぺきではないところもあるかもしれないが、とても満足している。フィールドでお見せできるレベルのラグビーをしてくれると信じている」(マッケンジーHC)

 この日の会見で、特に注目している選手は誰かと訊かれた指揮官は、SH阿部恵、PR加藤幸子、そしてユーティリティBK松田凜日の名前を挙げた。
「メグ(阿部)のプレースタイルは一貫性があって、テンポを生み出し、世界を驚かせるようなパフォーマンスを見せてくれるのではないかと思っている。サチコ(加藤)はプレミア15(イングランドの女子リーグ)でプレーし、日本人選手がどういうことをできるかというのを世界に見せてきたひとり。引き続き同じようなことができるのではないかと期待している」
 そして、CTB、WTB、FBと複数ポジションでプレーできる将来性豊かな20歳の松田については、「彼女が快適にプレーできるポジションにおいて、どういうことができるのかというのを見せてほしい。15人制の経験は比較的浅く、長い間セブンズ(7人制)で経験を培ってきた選手なので、彼女がベストパフォーマンスを発揮できるように、周りにしっかりしたサポートを置きたい」と述べ、ワールドカップでの活躍を期待する。

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