女子 2022.08.20

女子日本代表、静岡で厳しいレッスン。世界7位のアイルランド相手に57失点で敗れる。

[ 編集部 ]
女子日本代表、静岡で厳しいレッスン。世界7位のアイルランド相手に57失点で敗れる。
アイルランド戦で厳しいタックルを受ける女子日本代表キャプテンの南早紀(撮影:松本かおり)


 開幕まで50日を切ったラグビーワールドカップへ向けて夏のテストシリーズで強化をしている女子日本代表“サクラフィフティーン”が、世界ランキング7位の女子アイルランド代表を相手に厳しいレッスンを受けた。8月20日に静岡・エコパスタジアムで挑み、序盤にリードを奪いながらも逆転され、計9トライを許し、22-57で敗れた。

 日本は、立ち上がりはよかった。
 前半2分、スクラムからの攻撃でCTB松田凜日が抜け、サポートしたFL細川恭子も前進してゴールに迫り、FL鈴木実沙紀がピック&ゴーでインゴールにねじ込み先制した。
 5分にはラインアウトからのムーブでNO8永井彩乃が突破し、CTB松田、WTB今釘小町と20歳がつないで連続トライ。11分にはSO大塚朱紗がペナルティゴールで加点し、15-0とした。

 しかし、サイズで上回るアイルランドは17分、ラインアウトからドライビングモールで押し込み、スコアボードを動かす。23分にはグリーンジャージーの強力パックがスクラムでアドバンテージを得てバックス展開し、CTBエンヤ・ブリーンが抜けて次々とつなぎ、連続トライとなった。
 アイルランドは前半最後にも攻め込み、日本はがまんのディフェンスとなったが、バックス展開で、この試合が初キャップだった19歳のCTBイーファ・ダルトンが抜けて逆転トライ。同じくデビューの18歳SOダナ・オブライエンがコンバージョンを成功し、日本は15-19と4点ビハインドで折り返しとなった。

 流れを変えたアイルランドは後半開始早々、ブレイクダウンで日本に圧力をかけ反則を引き出し、ゴール前のラインアウトへと移り、得意のモールで押し込み盛り上がる。
 53分(後半13分)にも日本の反則からアイルランドのチャンスとなり、ラインアウトからのドライビングモールで点差は広がった。
 アイルランドの勢いは止まらず、57分にはスクラムからのバックス展開でFBメイブ・ディーリーが抜け、ハーフウェイから走り切ってデビュー戦トライを記録。

 日本は63分に敵陣深くに入ってPKを得、速攻でPRラベマイまことが突進してトライを奪い返したが、アイルランドは69分にキックチャージから再び点差を広げ、終盤さらに2トライを追加し、50点超えとなった。

 敗れた女子日本代表のPR南早紀キャプテンは、「なかなか自分たちのテンポを出せず、相手のアタックを受けてしまい、苦しい戦いになった」とチャレンジを振り返る。
 セットピースについては、「スクラムは自分たちが優位に進める場面もあったが、ほとんどが相手との駆け引きに負け、やられてしまった。ラインアウトも、自分たちのミスから相手ボールにしてしまった」と反省した。

 そして、レスリー・マッケンジー ヘッドコーチは、「ディフェンス周りでコネクトできたところと、アタックで前へ出ようとする姿勢はよかったと感じたが、徐々に規律が悪くなってほころびが出た。この試合は私たちにとって非常に大きなレッスンとなった。これを言うのは悔しいが、この機会から学んで次へ向けてよくしていきたい」とコメントした。

 両チームは1週間後の27日、東京・秩父宮ラグビー場で再戦する。

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