各国代表 2022.06.29

「試合が待ち遠しい」。フランス代表SOアントワンヌ・アストイ、LOトマ・ラヴォー

[ 福本美由紀 ]
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「試合が待ち遠しい」。フランス代表SOアントワンヌ・アストイ、LOトマ・ラヴォー
左がトマ・ラヴォー、右がアントワンヌ・アストイ。(©France Rugby)



 来日中のフランス代表の最初の会見が開かれた(6月25日)。入国後3日間は隔離措置が取られていたためオンラインでの会見となった。
 会見に出席したのは、SOアントワンヌ・アストイ(24歳)とLOトマ・ラヴォー(23歳)の2人だった。

 アストイはポー所属、コリン・スレードとトム・テイラー(それぞれリーグワン2022では三菱重工相模原ダイナボアーズ、東芝ブレイブルーパス東京でプレー)を見ながら成長した。2人がチームを退団した2020-2021シーズンからチームの司令塔を任されメキメキと頭角を表し、昨年夏のオーストラリア遠征で代表デビューを果たした。

 ロマン・ンタマック、マチュー・ジャリベールに続く代表で3番手のSOと言われている。
 先日のバーバリアンズの試合でも背番号10をつけて活躍、チーム8つ目のトライを決めた。来季はラ・ロシェルに移籍しさらなるレベルアップを目指している。

 ラヴォーはラ・ロシェル所属、2018年U20世界大会で優勝した後、肩の負傷で1シーズンを棒に振り、2019-2020シーズンに復帰した。
 しかし、同クラブのベテランLOロマン・サジーの負傷により着々とスタメンとして試合数を重ねようとしていたところ、コロナウイルス感染拡大のためにロックダウンになってしまった。
「これから2年でスタメンの座を掴みたい」と言っていた通り、今季はトップ14でも、優勝したチャンピオンズカップでもファイナルステージで先発出場し続けた。

Q.日本とは2010年以降、3回目の対戦です。対戦機会の少ないチームとの試合をどのように準備していますか?

トマ・ラヴォー「まず自分達のことに集中します。僕たちが見られる日本の試合の映像以上に、日本チームは僕たちの試合を見ることができます。僕たちは、このスタッフで3年間築いてきた自分達のことに集中し、今までの路線を継続します」

Q.日本の湿度はプレーに影響を与えると思いますか?

アントワンヌ・アストイ「合宿に招集された時から気候に順応する準備をしています。気温を上げたサーモルームでトレーニングもしました。暑さに慣れるようにしてきました。来日してからも同じです。気候条件に順応するため、来日した翌日から暑さと湿度の中で練習しています。もちろん屋外競技なので影響はあります。できるだけ早く順応できるように努めています。(第1テストの7月2日まで)まだ1週間あります」

Q.ワールドカップ(以下、W杯)まで約1年。この遠征をW杯スコッドに入るきっかけにしたいという気持ちはありますか?

トマ・ラヴォー「いいえと言えば嘘になるでしょう。このグループの中の数人は昨年のオーストラリアで力を発揮して認められました。まずチームにとって大切なテストですが、個人にとっても大切なテストです。チャンスを掴まなくてはいけない。でも最優先は、試合に勝っていいマインドセットを示すこと。個人的なことはその後です。この遠征の最優先はチームです」

Q.日本チームのイメージは?

アントワンヌ・アストイ「日本に対して僕たちが持っているイメージは、まず2つのW杯です。2015年大会では南アフリカに勝利しました。2019年大会ではスコットランドとアイルランドに勝利しました。BKはスピードがありとても動くチームです。対戦を楽しみにしています」

トマ・ラヴォー「FWに関してもほぼ同じです。スピードがあります。ストラクチャーを大切にしています。ストラクチャーから外れずゲームプラン通りにプレーします。こちらもしっかりコミットして、戦略的なことよりもまずしっかりコンテストすることが大切になるでしょう」

Q.この遠征は、エムリック・リュックとマックス・スプリングのPCR 検査陽性反応で始まりました。精神的に動揺しましたか?

アントワンヌ・アストイ「こういうことを言うのも残念ですが、慣れてしまいました。昨年のオーストラリアもそうでした。この2年はコロナと一緒に生活しています。感染拡大させないよう最大限注意をしてルールを守っています」

Q.2019年W杯でラグビーに興味を持った若い日本人が、皆さんの試合を見ることをとても楽しみにしています。

アントワンヌ・アストイ「到着した時に盛り上がりは感じました。チケットも順調に売れていると聞いています。最高です」

Q.アントワンヌへの質問です。あなたのポジションには、ンタマック、ジャリベール、カルボネルのように多くの候補者がいますが、この遠征はあなたにとってチャンスになると思いますか?

アントワンヌ・アストイ「招集されれば、練習でも試合でも常に期待に応えるようにしています。10番はいい仕事をするために素早くグループに溶け込まなくてはならないので、そのことを心がけています。試合に出ることができれば最大限出し切り、ベストなプレーをします。そうすることで自分にも最良の結果になるでしょう」

Q.今回初めて代表に参加するノンキャップの選手や、2部リーグ、19〜20歳の若い選手はチームへの溶け込み具合はどうですか?月曜日にマルクッシ(合宿施設であるパリ郊外の国立ラグビーセンター)に集合し、今は外国。彼らにとっては新しい体験。うまく順応できていますか?

トマ・ラヴォー「僕もその1人です。とても幸せです。素晴らしい時間を過ごしています。素晴らしいホテルに宿泊して、素晴らしい施設でトレーニングできてとても幸運です。学べることは全て学ぶつもりです。出場できるかどうかはまた別の問題ですが、試合が待ち遠しい」

アントワンヌ・アストイ「みんなスムーズに溶け込んでいます。全員でいい時間を過ごしています。新しく加入した選手には『恒例の儀式』(チームの前で歌やコントなどの『芸』を披露)が待っています。楽しい1週間になるでしょう」

▼フランス代表 2022夏 来日メンバー
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