韓国15人制代表始動、5年ぶりの日韓戦も予定に。
2022年アジアラグビーチャンピオンシップ(ARC。6月4日~韓国で)を控える15人制韓国男子代表。きょう5月10日、35名の代表候補選手たちが選抜練習を始めることになった。前日の9日、日本代表候補に関する会見で藤井雄一郎ナショナルチームディレクターが、正代表から外れたナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)と韓国代表との試合も検討中と明らかにした。試合が実現すれば2017年4月のARC以来5年ぶりの日韓戦開催となる。
韓国では5月7日に新設された「2022コリアスーパーラグビーリーグ第2次大会」を終えた。社会人は韓国電力、大学1部は高麗大が1次大会に続き全勝で優勝。代表候補は主に社会人4チーム(韓国電力、現代グロービス、ポスコ建設、韓国軍体育部隊)から選ばれる。この中には、9月に南アフリカで開催されるワールドカップ・セブンズに出場する選手も含まれている。監督は7人制監督も兼ねるチャールズ・ロウ前流経大コーチ。コーチは呉英吉(オ・ヨンギル)大韓協会理事(元大阪朝鮮高監督)のほか、延世大コーチだった李明根(イ・ミョングン)氏も新しく加わる。李コーチは日本のワールド、クボタスピアーズで10年間SHとして活躍し帰国、母校のコーチを務めていた。35名の選手を今月末にARCに出場する20数名に絞る予定という。
今年のARCは変則日程だ。会場は韓国だが最初にマレーシアを迎えて戦う。香港はコロナ禍で代表が練習できない状態という。一部、外国籍の選手は英国などに戻っていて香港入国が遅れている。このため香港戦は1か月遅れ7月に実施する予定だ。
このARCで優勝すると、ワールドカップ2023最終予選にアジア代表として参加する資格を得、他地域からの敗者復活を目指す代表チームとワールドカップ出場権を争うことになる。
日韓戦は練習試合になる見通し。現在、新型コロナウイルス感染予防やコロナ禍で厳格になっている渡航ビザ取得をクリアできることが課題だ。実現すると2017年以来5年ぶりの対戦だ。2018年以降は日本がワールドカップ2019日本大会に向け代表強化に注力し、ARCから離れた。
最後の日韓戦は2017年のARC第2戦、4月29日に秩父宮ラグビー場でおこなわれ、日本が12トライを奪い80-10(前半 31-5)で勝利した。第1戦は韓国・仁川南洞アジアドラグビー場でおこない、日本が47-29(前半 35-12)で勝ったが、韓国の善戦も目立った。第1戦で日本の主将を務め、代表デビューとなったSH流大は「ほろ苦いデビュー」と話していた。韓国では後にNTTコミュニケーションズシャイニングアークスに入団するWTB張容興(チャン・ヨンフン)がデビュー、韋駄天ぶりを発揮した。