日本代表 2022.05.10

来年のW杯へ向け若手にもビッグチャンス 「見てみたい」日本代表候補たちがアピールへ

[ 編集部 ]
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来年のW杯へ向け若手にもビッグチャンス 「見てみたい」日本代表候補たちがアピールへ
埼玉ワイルドナイツの竹山晃暉も期待される若手のひとり。今季リーグワンで10トライ(撮影:松本かおり)


 ラグビーワールドカップ2023フランス大会をターゲットとする日本代表の、2022年度候補選手63人が発表された。けがで選考対象外となった選手を除き、今年のリーグワンでパフォーマンスが光った選手たちが呼ばれ、桜のジャージーを目指す。

 このなかから日本代表に選ばれるのは半分になる見通しで、残りの半分はナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)として活動することになる。リーグワンのプレーオフに出場するチームの選手など、一部選手以外は5月中旬からテスティングキャンプ、スキル&コンディショニングキャンプに参加し、6月3日から日本代表とNDSに分かれて合宿に入っていく。

 日本代表は今夏、国内でテストマッチを4試合実施する予定(6月18日、25日にウルグアイ代表戦。7月2日、9日にフランス代表戦)。また、6月11日にはトンガサムライXVとのチャリティーマッチがあり、対戦相手となるエマージング・ブロッサムズはNDSのメンバーで戦うことになる。また、6月にはNDSが韓国代表と試合をする方向で調整中だ。

 藤井雄一郎・男子15人制日本代表ナショナルチームディレクターは、「(リーグワンで)目に留まった選手、全試合で安定してパフォーマンスを出せた選手、あとはチーム事情で試合に出れていない選手なども含めて、見てみたい選手を選んだ。どれくらいの選手がどこまでやれるか見極めたい。ワールドカップへ向けてけが人やいろんなことが出てくる可能性もあるので、できるだけ幅広く選手を見てみたい。初めてキャップを手にする選手が出てくる可能性もあるし、これをチャンスとし、いいパフォーマンスでぜひアピールしてもらいたい」とコメントした。

23歳の下川甲嗣。藤井ディレクターは「非常にクレバーな選手。すごく将来性がある」と評価(撮影:松本かおり)

 今回の日本代表候補で話題となったのは、堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)という、経験豊富なベテランの招集だ。
 66キャップを持つ36歳のHOである堀江は、2019年ワールドカップ以来のスコッド復帰。藤井ディレクターは、リーグワンでも大きな存在感を見せている堀江について、「彼はちょっと別格。スーパー特別扱い。ジェイミー(ジョセフ ヘッドコーチ)もずっと気にしてた」と期待する。
 55キャップを持つ32歳の立川は、2018年のジョージア戦を最後にテストマッチから遠ざかっているが、リーグワンでのパフォーマンスが評価され、また、同じCTBの中村亮土(東京サントリーサンゴリアス)がコンディションの関係で今回は選考対象外となったこともあり、経験豊富な立川が若い選手に教えられることやチームにプラスになることは多いと考えられ、選出された。「立川は経験がある。もちろん、次のワールドカップを狙うのであれば狙ってもらいたい」(藤井ディレクター)

 一方で、昨年日本代表スコッドに入っていたメンバーのうち、ワールドカップ経験者でもあるNO8アマナキ・レレイ・マフィ(横浜キヤノンイーグルス)、WTBレメキ ロマノ ラヴァ(NECグリーンロケッツ東葛)、PR中島イシレリ(コベルコ神戸スティーラーズ)などは、今回は選ばれなかった。

 なお、中村亮土のほか、FB/WTB松島幸太朗(クレルモン・オーヴェルニュ)、SO松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、SO小倉順平(横浜キヤノンイーグルス)、FB/WTBセミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ)、HO庭井祐輔(横浜キヤノンイーグルス)、PR具智元(コベルコ神戸スティーラーズ)、LO小瀧尚弘(コベルコ神戸スティーラーズ)、LOジェームス・ムーア(NTTコミュニケーションズシャイニンズアークス東京ベイ浦安)、FL/NO8福井翔大(埼玉パナソニックワイルドナイツ)もコンディションの都合により今回は選考対象外となっている。
 4月のヨーロピアン・チャンピオンズカップで負傷した松島について藤井ディレクターは、「松島の場合はずっとプレーしている時間が長かったので(フランスリーグのトップ14では今季16試合先発出場)休ませたいと思っていたなかでのけがだった」と明かし、最大のターゲットである来年のワールドカップへ向けて、ベストな状態になることを優先していく考えだ。

今回の日本代表候補のバックスでは最も若い21歳でチャンスを与えられたSO李承信(撮影:松本かおり)

 けが人が出たときに備えて、または将来を見据え、経験を積ませることも大事で、若い選手たちも今回の日本代表候補に選ばれており、テストマッチのようなハイプレッシャーのなかでどこまでできるか見てみたいと藤井ディレクターは言う。
 リーグワンで新たに発見した選手、もっと見てみたいと思った選手として、竹山晃暉(埼玉パナソニックワイルドナイツ)や根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)らの名前を挙げ、この若いWTBについては、「本当にスピードもあるし、日本人特有の動きをするので、アタックに関しては、外国人にとっては脅威だと思う。あとは、ハイボールだったりディフェンスだったり、常に安定してプレーできるか、今回のテストマッチでそれが出せるかどうかというところだと思う」と語った。

 2023年のラグビーワールドカップを見据え、さらなる成長を目指し、それぞれが磨きをかけていく。

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