国内 2022.04.20

大学でも楕円球に触れよう。ラグビー始めてみませんか ~都立大、朝鮮大、一橋大からのメッセージ~

[ 見明亨徳 ]
大学でも楕円球に触れよう。ラグビー始めてみませんか ~都立大、朝鮮大、一橋大からのメッセージ~
都立大新入生の森川さん。パスの受け方も上手くなる(撮影:見明亨徳)


<15人以上の新入生獲得が目標。東京都立大>

 2022年春、全国の大学に多くの新入生が入学、授業も始まりキャンパスライフを始めている。2020年1月、世界中を襲った新型コロナウイルス感染拡大。その年から大学では授業をオンラインに切り替え、学生は大学から離れた生活を送ることへ。文化系、体育系問わず部やサークル活動は停止や活動の縮小を余儀なくされた。そして十分な新入生歓迎行事ができなかったため部員減少に悩んでいる。

「今年の部の目標は新入生15人以上の獲得。部を来年以降も継続させることです」。こう語るのは今季、東京都立大ラグビー部主将を担う青木紳悟さん。神奈川県の県立川和高出身、ポジションはCTBにSOだ。都立大は関東大学リーグ戦3部に所属する。2018年度に3部に昇格以降、8チーム中5位と6位が続く。

 今年の問題は部員数。選手は大学院2人、4年10人、3年3人、2年3人の計18人だ。試合を組めることも危うい。部の仕事を支えるマネージャーは4年3人、3年1人、2年3人だ。
 それだけに新歓イベントには力が入る。4月16日、土曜日。朝10時すぎから大学の球技場で「練習体験会」を開いた。何人来てくれるか? 部員たちはやきもちする中、案内役の部員に先導されて12人がやって来た。マネージャー希望も2人来てくれた。

都立大体験会に新入生がやって来た(撮影:見明亨徳)
「15人以上の獲得が目標」。都立大の青木主将(撮影:見明亨徳)

 まずは挨拶、青木主将が体験会の意味を話す。最初は腰に吊るしたタグを取りあう鬼ごっこの要素を取りいれた遊びから。選手、マネージャーも入り1組10人前後が4色のタグをつけて4組に分かれた。一斉に他の組のタグを奪い合う。最初は個々で争っていたが、自然と協力して他の組のメンバーを追い込む。チームになってきた。タグを取られたら枠の外に出て自分の組を応援する。ラグビー初心者でも身につけた体の身のこなしで部員の攻撃を潜り抜ける姿もあった。2回目は、なんとマネージャー希望2人が最後の2人になり熱闘を繰り広げた。

 続いてランパス。パスの方法を上級生が見せる。「早いな! きちんと受けることができるかな?」。新入生から声があがる。4人でランパスを繰り返す。短い距離だがきつい! 熱心に先輩にパスを受ける方法を聞いていたのが森川蓮さん。神奈川県立住吉高出身だ。高校時代は硬式野球部、右翼手。県内でベスト32位のレベル。もう一つ勝てば横浜高と対戦できた。「大学に入って新しいスポーツをやってみようと思いました」。ラグビー部のツイッターやインスタなどSNSを見て「明るいし熱がある人たちがたくさんいる」と感じた。
 入学式(4月10日)の前日にあったサークル紹介でも確信、ラグビー部が開いた行事にも参加し入部を決めた。「先輩たちからバックスの選手が足りないと聞いています。その穴を補えるようになれれば」と積極的だ。

タグの取り合いでチームのまとまりを体験(撮影:見明亨徳)

 もうひとり、都立小山台高の練習ジャージーで参加したのは岡元隆太さん。「高校はHOでした。ラグビーの熱いところが好き」。都立大は「みんながワイワイと楽しむ雰囲気がある。チーム一丸となって頑張る先輩たちは格好いいです」。小山台高ラグビー部同期は東京工業大や千葉大に入学。「東工大は入部すると聞いています」。東工大もリーグ戦3部だ。対戦が秋の楽しみになる。

 4月11日は「バーベキュー会」を開いた。4年のマネージャー大沢こころさんによると「最初70人の申込みがあったのですが、実際、会場には数倍の方が来て。お肉がたりなくなり買い出しが大変でした」。「7人制大会」などもおこなっている。今後21日は「7人制大会」、25日には「ボーリング大会」もある。

食事も新歓には大切です(写真提供:東京都立大学ラグビー部)

 ランパスを体験する間、マネージャー希望者は先輩たちと準備をしていた。ひとりは広島県から東京にやって来た。「日本代表を見ていてラグビーが大好きになりました。高校はラグビー部が無かったので大学ではマネージャーになろうと思っていました」と心強い。札幌出身の参加者は「バイトもしたいので週何回の活動かも重要なポイント」。大学生活を充実させたい。

 青木主将は「チーム作りの要素も取り入れて体験会を開いています。楽しいことと部活のやりがい。熱い気持ちの両立ができるチームと伝えています」。チームは今季、昨年度5位以上の順位を目指す。「3部の上位で戦い続ける力をつけていきたい」。そのためにも多くの新入生を待っている。

マネージャーも待っています(撮影:見明亨徳)

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