大学でも楕円球に触れよう。ラグビー始めてみませんか ~都立大、朝鮮大、一橋大からのメッセージ~
<朝鮮大は試合に出て経験を積める! 一橋大は2桁以上の新入生部員が目標>
4月16日の午後。東京・小平市の朝鮮大グラウンド。今年2月に新しく張り替えた人工芝のグリーンが春の陽射しで映える。
1時すぎから朝鮮大と一橋大のフォワードが合同練習をおこなっていた。スクラム、最初は軽く合わせるつもりでも徐々にお互いが熱くなる。朝鮮大は関東大学リーグ戦2部で昨年度7位、入替戦を勝ち残留した。一橋大は関東大学対抗戦B(2部)で7位。入替戦はないがお互い2部で同じ順位だった。それだけに上位進出を狙うため春から鍛える。
「一つになって押す」と声をかける一橋。低く、しっかりとしたバインドで塊になり朝大を押し込んだ。朝大は「スクラムは、まだ本格的に取り組んでいません。現状は個々で押している」と呉衡基(お・ひょんぎ)監督が指摘するように姿勢が高い。パックも割れていた。10数本、組み合った。
続いてラインアウト。アタックとディフェンスを交互に入れ替わる。ゴール前に徐々に近づくとモールを組んでトライを狙う。ラインアウトからモールで取り切る強みノウハウがある朝大が押していた。モールディフェンスでも一橋を防いだ。朝大は今季、リーグ戦2部で3勝以上と上位4位以内が目標だ。そのために金慶生(きむ・ぎょんせん)主将は「人数が少ないぶん、個人の能力を上げていかないといけない」と春の課題をあげた。
朝大フォワード。塊の中には今春、大阪朝鮮高を卒業した2人が入っていた。スクラム、ラインアウトの中でも気づいたことを言葉に出して仲間に伝えていた。大阪朝高から3人、東京朝高から1人が入部した。朝大も部員は4年4人、3年3人のみ。そして昨年は高校大会(花園)で全国4強入りした大阪朝高から大量入部があり2年は10人いるがギリギリの状態だ。
ポジションがバックスのため合同練習中、ランニングで汗を流していた金主将。新入生について「他にも東京や愛知のラグビー部出身が入ってくれることを期待しています。朝大は人数が少ないので試合に出ることができる。経験ができることがチャンスだと思う」。マネージャーは鄭仙希(ちょん・そんふぃ)さん1人。「希望する人もいますがグラウンドに来てくれるまでにならない」と言う。
一橋大。1922年に東京商科大ラグビー部として誕生し100年の歴史と伝統を誇る。現在、部の人数構成は都立大と重なる。4年14人、3年7人、2年5人と下級生の層が薄くなる。
スクラムの最後尾で仲間を激励するNO8島田耕成主将。強豪、本郷高OB。高校3年時の2018年度全国高校大会でも主将として花園の土を踏んだ。大学は文武両道を目指し一橋へ。「人数が少なく強度のある練習が限られているので朝鮮大との練習で自分たちの準備してきたものがどれくらい通用するか試したい。スクラムは押せた。自信になる」。
一橋は新入生勧誘の手段が限られているという。大学当局がコロナ感染拡大防止のために対面式の勧誘を制限している。「SNSなどを通じて関心を持ってもらうようにしています。入部を決めたのは4人で全員経験者。いろんなことで声もかけています。興味を持っている1年生も多いと聞いています。目標の2桁にのせたい」。春は5月の試合と都内に大学がある国公立大会で優勝を目指す。
それぞれの大学ラグビー部にご関心ある方はHPをご覧の上、連絡をしてください。
▼東京都立大学ラグビー部
https://tmu-rugbyclub.jimdofree.com/
▼朝鮮大学校ラグビー部
https://korea-u-rfc.com/
▼一橋大学ラグビー部
https://hurfc.jp/