静岡ブルーレヴズがついに出航! 開幕から3試合中止を乗り越え、ホスト開幕戦を勝利で飾る。
チーム内でクラスターが発生していた、静岡ブルーレヴズ(旧ヤマハ発動機ジュビロ)がついに船出を迎えた。
レヴズは開幕節・トヨタヴェルブリッツ戦(1月9日)前の検査で、複数の陽性反応を確認。その後も新たに陽性者が多数でたため、開幕から3試合が中止となった。
20日にようやく活動を一部再開、チーム全体の活動が再開されたのは25日だった。全体練習はわずか5回で「開幕」を迎えた。
そんなハンディを背負いながらも1月30日、ヤマハスタジアムにNTTドコモレッドハリケーンズ大阪を迎え、36-13でホスト開幕戦を勝利で飾った。後半は失点を0に抑える快勝だった。
この日がヤマハ時代から数えて100試合出場となった、キャプテンのLO大戸裕矢は試合後、こう振り返る。
「試合が中止となっていた期間もたくさんの方々が温かい言葉をかけてくれて、今日までモチベーション高く続けられました。そしてなにより、今日が静岡ブルーレヴズとしての初戦、そしてヤマハスタジアムということで、しんどいとは言っていられない。そうしたメンタルが僕たちの体を動かした」
序盤からこの試合にかける思いは伝わった。
アグレッシブなディフェンスで相手のミスを誘い前半3分、カウンターアタックからダイナミックにボールを展開。最後は司令塔の清原祥が自らインゴールに入った。
今季からタイトファイブもボールに絡む、新たなアタックに着手してきたレヴズ。先制トライは、PR伊藤平一郎の好パスから生まれたものでもあった。
その後、徐々に相手の激しいディフェンスと自軍のラインアウトミスで流れを失うも、1点リードで前半を折り返す(14-13)。
後半からは、左アキレス腱断裂のケガから復帰したHO日野剛士が交代出場。身上のスクラムで相手のペナルティを誘い、追加点につなげた。
9分、敵陣22㍍付近のラインアウトを起点にSH矢富勇毅がムーブで数的優位を作り、WTBキーガン・ファリアが大きくゲイン。最後はSO清原が蹴った厳しい角度のクロスキックに、WTBマロ・ツイタマが快足を飛ばしてインゴールで抑えた。
対するレッドハリケーンズはアタックでミスを連発し、なかなか自陣を抜け出せず。
24分にモールから持ち出したHO日野、31分には左スミに飛び込んだSH矢富のグラウンディングを間一髪で防ぐなど(TMOでいずれもノートライの判定)、ゴール前で粘りを見せていたが、好機を作り出すことはできなかった。
最後までフィットネスも落ちず、コロナ明けを感じさせなかったレヴズが、37分にFLイシ・ナイサラニのトライで29-13。3トライ差をつけてボーナスポイントも得た。
堀川隆延監督は、開幕から3試合中止となったことを謝罪した後、こう語った。
「選手たちは苦しい時期を乗り越えて、今日の開幕までにできることをやろうと、上を向いて前を向いてできる限りの準備をしてくれた。今日は静岡ブルーレヴズの初戦ということで何が何でも勝たないといけない、最低でも勝ち点5と強く思っていた。最後の最後までトライを取りにいってくれたこと(41分に5トライ目を奪う)を誇りに思うし、次につながる試合になりました」