国内
2021.12.02
長期離脱から日本一のメンバーに。4年生FL・服部航大[天理大]の使命。
昨季の日本一を知るメンバーのひとり。
天理大の4年生、FL服部航大(こうき)が黒衣のジャージーを着られるのも、残りわずかだ。
11月20日、天理大は京産大に敗れ2敗目を喫する。関西リーグの連覇は5で途絶えた。
失意の中でも、チームを鼓舞し続ける存在でありたい。
服部は絶望の淵から這い上がってきた。だからこそ、いま力になれる。
男女男女男の5人きょうだいの末っ子。
一番上の兄とは12歳離れる。2人の姉も含め、みんなラグビーをやっていた。
服部も3歳から布施ラグビースクールに通い始める。小阪中でラグビーは辞めるつもりだった。
「ラグビーで食べていくのは無理かなと」
それでもオール大阪の選考会で天理高校の松隈孝照監督に声をかけられ、進路が変わった。
天理高3年時、今度こそラグビーは最後と思っていた。だけど最後の花園予選、御所実に負けて気持ちが揺らぐ。19-0で折り返した後半。15分から3トライ取られて敗れる大逆転負けだった。
「やり切ったけど、あんな悔しい思いしてラグビー辞められへんと」
漆黒のジャージーで戦うことを決意した。
それなのに。天理大での生活は苦しい日々だった。
入学直後、大体大戦で右膝の前十字靭帯を断裂。1年かけて復帰も、2週間後にまた同じ靭帯を断裂した。
その落胆たるや想像に難くないが、試合に出たい気持ちが上回った。そのために大学でも続けることを選んだからだ。
「ここで絶対腐ったらあかんと思ってました」
闘志は消えなかった。
「ずっとグラウンドの練習見ながらこいつらには絶対負けんぞと。復帰したらすぐ出たると思って、リハビリをずっと続けられた」
ラグビーができない分、ウエートだけは目一杯取り組んだ。いろんなメニューも探り、毎日続けた。
「トレーニングにハマりました」
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