専大、惜しくも開幕4連敗…。村田監督「負けても精いっぱいやってくれた」
今季初勝利まであと一歩だった。
専大ラグビー部は後半26分、敵陣ゴール前右でモールを押し込む。20-31と迫る。続く31分、今度はゴール前の左側で相手のキックをSOの松尾東一郎がチャージ。FLの武井康太がグラウンディング。FBの古里樹希が5本目のゴール(2本のペナルティゴールを含む)を決め、27-31とする。
村田亙監督は言う。
「流れが来た時にしっかり(点を)取ってくれて、拮抗した試合を演じられました」
10月30日、埼玉のセナリオハウスフィールド三郷。前年度は8位だった関東大学リーグ戦1部の4試合目で、同2位の流経大とぶつかっていた。
序盤から、高低を織り交ぜたキックと献身的な防御を徹底。前半3分に3-0と先制する。一時はオフロードパスの連続、背後へのグラバーキックなどを許して3-17と勝ち越されるも、後半3分、7分の計10得点で13-17と接近した。
13-24のスコアで迎えた18分には、相手WTBの永山大地が約70メートルのビッグゲインでこの日2トライ目をマーク。後にプレイヤー・オブ・ザ・マッチを受賞するSOの荒木龍介のコンバージョン成功で、13-31と点差が広がった。専大が猛反撃を始めたのは、ここからだった。
4点差で迎えた終盤も、何度も敵陣へ侵入する。しかし、トライラインを割れなかった。
34分頃には敵陣ゴール前左でモールを組みながら、オブストラクションの反則を取られた。
3年生LOの川畑松大は悔しがる。
「プレッシャーのなか、モールの核になっている選手を代わる代わるさせていくところ、(ボールを持っていない選手が)相手のディフェンスを邪魔してしまったというふうに見られてしまって。…難しいですが、そのあたりの駆け引きで、レフリーに目線を送って(順法精神を)感じ取ってもらうなど、余裕を持ってできればペナルティは防げたのではないかと振り返っています」
続く39分には、似た位置で作った塊にBKの選手も投入しながら仕留め切れなかった。その後も同様のエリアでチャンスを作ったが、塊を多角度的に崩される。笛が鳴る。喜んだのは向こう側だった。
ひりついた激戦に、村田監督は「ラスト10分で4点差。3度ほどゴール前ラインアウトというところでボールは獲得できていたのですが、そこでトライを獲りきれなかった。ここが流経大さんとうちの差」。ここからは前向きに語った。
「こういう最後までわからない試合をしてくれると、我々もラグビーを楽しく観られます。負けても精いっぱいやってくれた選手たちに感謝しています」
戦績は0勝4敗。上位3傑以内で行ける大学選手権への進出は、そう簡単ではなくなった。タックルで魅するアウトサイドCTBの平山壮太は、それでも「私自身、それで落ちるのではなく(前向きでありたい)」。記憶にあるのは前年度の様子。大東大との初戦を制してから7連敗したのを踏まえ、こう述べる。
「去年は大東大に勝った後は負け、負け…と、チームの雰囲気が悪くなった。そのなかでラグビーをやっていても全く楽しくなかった。だから、ここで落ちちゃだめだとチームに言い聞かせています。私自身やリーダー陣が(選手に)声をかけて、チームがまとまることが大事だと思います」
11月7日には神奈川・専大グラウンドで前年度5位の中大とぶつかる。一方、内山達二監督が「やりたいことがやり切れなかった」とミスと反則の多さを指摘する流経大は、同日、東京・上柚木公園陸上競技場で同3位の日大に挑む。