国内 2021.10.17
流経大31-27関東学大。劇的な今季初勝利! 開幕2連敗から「自分たちのラグビーをもう1回」と再起。

流経大31-27関東学大。劇的な今季初勝利! 開幕2連敗から「自分たちのラグビーをもう1回」と再起。

[ 向 風見也 ]

 話をするのは芳崎風太。司令塔のSOに入って計5本のゴールキックを決めながら、鋭いタックルも連発する。

「チームで、ディフェンスをしています。内側(接点周辺)からの声が活きた(自身のタックルに繋がった)と思います」

 前半23分、7―6と追い上げる。その折のペナルティーゴールのきっかけのひとつは、自軍スクラムからの自身のラインブレイクだった。

 関東学大は続く35分、敵陣ゴール前左でモールを組む。普段参加しないBKの選手まで参加。なだれ込む。7―13と勝ち越した。

 対する流経大はハーフタイム直前に14―13とリードを奪い返し、後半12、17分の連続トライで24―13と点差を広げる。しかし、勝負を決めるにはまだ時間を要した。

「ノックオーン!」

 スタンドの応援部員が叫んだのは後半23分。敵陣ゴール前右で流経大のSO、柳田翔吾が球を落とす。

 関東学大のSHで主将の三輪悠真が、すかさず圧をかける。ルーズボールに反応したのは、同じく関東学大でPRの兒玉隆之介だった。グラウンディング。直後のゴールも芳崎が決め、24―20と迫る。

 関東学大は、試合終盤も堅陣を崩さない。30分頃には中盤で攻撃側の反則を引き出し、敵陣へ深く侵入する。ここで流経大は、さらなる試練に出くわす。

 31分、FLの當眞真が危険なプレーで一時退場処分を受ける。事実上、最後まで数的不利の状態で戦うことになった。

 危機的状況の流経大は32分、失点する。

 この時、関東学大は敵陣中盤右中間の自軍スクラムで「アドバンテージ」と宣告されていた。向こうが塊を崩すなか、しばらくミスを恐れずに攻められる。

 パスをもらった芳崎は、左大外へキックを放つ。落下地点に待ち構えたWTBの阿部竜二がタックラーを振り切り、そのままインゴールエリアへ滑り込んだ。

 まもなくスコアは24―27となる。芳崎はこうだ。

「アドバンテージを積極的に使おうと。BK全員から『外側にキック』の声がかかったので、それを信じて蹴っただけです。いいコミュニケーションがありました」

 40分。関東学大は最後も我慢の局面を迎える。相手にキックの選択肢がないのを見越し、15名中14名が前がかりで守る。

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