京産大は1か月遅れの開幕戦。立命館大を後半に突き放して40-21で快勝。
勝者は大いに安堵したことだろう。
10月9日、京産大が関西リーグの開幕から約1か月遅れで初戦を迎えた。
8月には部内でコロナ陽性者が出て、9月18日の摂南大との開幕戦が延期に。9月10日の練習再開まで約1か月間、活動を休止していた。
初戦の相手は開幕戦で関西学院大を下して、勢いに乗る立命館大。
ほとんど風が吹かず、気温も30度近い暑さの中、前半こそ接戦を強いられたが、後半に突き放して40-21で開幕白星を挙げた(場所は布引グリーンスタジアム)。
「3か月ぶりの試合で非常に不安だった」とは、今季より就任の廣瀬佳司監督。練習再開後、体力の低下は激しかったが、「モチベーション高くやってくれた」と話す。
「前半はなかなかスコアにつながらず、歯がゆい思いもあったけれど、学生たち自身で修正してくれた。そうやって勝てたのが嬉しかった」と初勝利を喜んだ。
前半は立命大10-7京産大だった。
先制トライは京産大。ゴール前のモールから、この日アグレッシブに働いたWTB松岡大河とHO梅基天翔が近場を崩してトライを挙げた。
一方の立命大は強みのディフェンスを活かした理想の形で追いつく。24分に敵陣でWTB藤井健太郎の好タックルが決まり、そのままターンオーバー。SH北村瞬太郎の好走、WTB安井拓馬のトライにつなげた。
その後も京産大は自慢のセットプレーでペナルティやミスが重なり、思うように試合を進められない。逆に30分、立命大のSO江良楓にドロップゴールを決められ、7-10と逆転された。
京産大のPR平野叶翔共同主将は「前半は試合勘のない中で修正が難しかったが、ハーフタイムでしっかり修正できた。スコアしよう、スコアしようと焦っていたので、一回冷静になろうと話していました」と振り返る。
ハーフタイムを経て持ち直した京産大は、5分にPGを決められた直後の7分、LOアサエリ・ラウシが大きくゲイン。連続攻撃で最後は攻守に活躍したFL福西隼杜がトライを奪った(12-13)。「何フェイズも重ねてトライを取ることができたので、焦らずこれを続ければスコアできると、自信につながった」(PR平野主将)。
それから海外出身LOの重たいコンタクトを中心に、少しずつゲインラインを越えて、一気に5連続トライ。試合を決めた。
立命館大も13-12と迫られた後半の序盤に、敵陣ゴール前でラインアウトのチャンスを作るも、これを失敗。流れを失った。「後半の途中でチャンスを仕留めきれずに相手のペースにさせてしまったことが敗因」と鬼束竜太ヘッドコーチも肩を落とした。
連続トライを許したことについては、「ディフェンスは崩れていなかったが、個々のタックルで止めきれずにつながれる場面が多かった。疲れも含めて個々のスキルが少し足りなかった」と語った。
次節、立命大は17日に同志社大と、京産大も同日に好調の近大とぶつかる(ともに皇子山陸上、有観客)。関西リーグで大学選手権に進めるのは上位3チームのみ。両チームとも前半戦の山場を迎える。