海外 2021.07.13

4年に一度の国際ラグビー界のビッグイベントを総チェック! B&I・ライオンズ南アフリカ遠征 前半戦レビュー、後半戦プレビュー【B&Iライオンズ南アフリカツアー J SPORTSで全試合配信】

イングランド、スコットランド、ウエールズ 、アイルランドの選抜メンバーによって結成されるドリームチームが、ニュージーランド、南アフリカ、オーストラリアの南半球の強豪3か国へ4年おきに遠征する国際ラグビー界の一大イベント、『ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ(B&Iライオンズ)』ツアー。今回の遠征先は、2019年のラグビーワールドカップ日本大会で3回目の優勝を果たした南アフリカだ。ツアーは7月3日のシグマ・ライオンズ戦を皮切りに5週間で8試合が組まれており、7月24日から3週連続で行われる世界王者、スプリングボクスとの3テストマッチが、B&Iライオンズの最大のターゲットとなる。ここでは7月10日までに行われた3試合を振り返りながら、後半戦の見どころを展望してみたい。

4年に一度の国際ラグビー界のビッグイベントを総チェック! B&I・ライオンズ南アフリカ遠征 前半戦レビュー、後半戦プレビュー【B&Iライオンズ南アフリカツアー J SPORTSで全試合配信】
2019年W杯のトライ王、WTBジョシュ・アダムス。シグマ・ライオンズ戦で4トライを挙げる活躍を見せた(Photo: Getty Images)

コロナ陽性者確認で緊急事態も、ビッグスコアの3連勝で前半戦乗り切る

6月26日にスコットランドのエディンバラで日本代表と対戦(28-10で勝利)したB&Iライオンズは、南アフリカ到着から5日後の7月3日に、ヨハネスブルクを本拠とするシグマ・ライオンズと遠征初戦を行なった。ゲームは開始3分に20歳の新鋭WTBルイス・リースザミット(ウエールズ )のトライで先制したB&Iライオンズが序盤から主導権を握り、21-7とリードして前半を折り返し。後半、シグマ・ライオンズの激しいコンタクトに手を焼く場面もあったものの、65分以降に3トライを挙げて突き放し、56-14で勝利を収めた。

上々のスタートを切ったB&Iライオンズだったが、7月7日のシャークスとのツアー2戦目を前に激震に見舞われる。試合当日に所定の検査で選手1人、スタッフ1人の新型コロナウイルス陽性者が確認され、さらに選手8人、スタッフ4人が濃厚接触者に。急遽キックオフを1時間遅らせ、当初の登録メンバーから8人を入れ替えて試合を実施することになった。

もっとも、そんな緊急事態にもチームはぐらつかなかった。開始2分、あざやかな連続オフロードパスから抜け出したWTBジョシュ・アダムス(ウエールズ)がトライを挙げて猛攻の口火を切ると、さらにWTBドゥハン・ファンデルメルヴァ(スコットランド)らが3トライを追加し、26-0でハーフタイムを迎える。後半、連戦の疲れが見え始めたところでシャークスに1トライを許したが、そこからリザーブのフレッシュレッグを次々と投入してふたたびリズムに乗り、計8トライを奪取。54-7で連勝を飾った。

南アフリカ出身で同国U20代表経験もあるWTBドゥハン・ファンデルメルヴァ。
母国でのテストマッチ出場に向け猛アピール(Photo: Getty Images)

その後も非常事態は続き、プレトリアに会場を移しての遠征3戦目は、当初対戦が予定されていたブルズの選手4人とスタッフ1名に新型コロナウイルス陽性者が出たため、3日前に戦ったばかりのシャークスとの再戦に変更された。前節を欠場したメンバーの多くが復帰し、先発15人中13人を入れ替えて臨んだB&Iライオンズだったが、気迫を前面に押し出したシャークスの攻守に受けに回り、26-26のイーブンで前半を終了。しかし後半4分にシャークスのSHジェイデン・ヘンドリクスが危険なプレーでレッドカードを受け一発退場になると、流れは大きくB&Iライオンズ側へと傾く。直後の47分にラインアウトモールを押し込んでゴールラインを越えたのをはじめ、後半だけで7トライを加えて圧倒。71-31のビッグスコアで、ツアー3連勝を決めた。

PICK UP