近大・福山主将が「打倒天理」への思いを語る。関西のダークホースとなれるか。
天理を本気で倒してみないか。
近大の福山竜斗主将が同期にそう問いかけた。
大学1年生の時だ。
福山主将が初めて天理大と対戦したのは、1年時、秋の関西リーグ。SOで先発したが、チームは0-50と大差で敗れた。力の差を痛感したという。
「同じ大学なのにここまで差があるのかと。1年生の時から体づくり、チーム作りをやっていかないと、3年後には追いついてないと思った」
そこで冒頭の言葉を同期にかけた。みんなが賛同して、意識を高く持ってくれる選手が増えたという。2年、3年とスコアは縮まらなかったが、力がついている実感はあった。そして今季、5月30日に行われた関西大学春季トーナメント2回戦で天理大を初めて追い詰めた。
22-27。
前半を5-20で折り返すも、後半に3連続トライで逆転に成功。後半30分に逆転を許し、勝利こそお預けとなったが手ごたえを掴んだ。
「今年は自信を持って天理を倒せると思えています」
4年生には実力者も多く揃う。1年時から先発出場を多く経験するCTB福山主将、PR紙森陽太、FB中洲晴陽に加え、U20日本代表のPR辻村翔平、LO山本秀、そしてSH松山将輝、SO河井優、WTB宮宗翔らがいる。
中島茂総監督も「FWが例年よりも重くなって平均体重100キロを越える。BKは経験豊富。今年の近大はFWで切り崩してBKで仕留めたい」と自信をのぞかせた。
2021年度の春シーズンを締めくくる、春季トーナメントの5-8位決定戦が7月3日、天理親里競技場で行われた。
近大はこの日、摂南大との5・6位決定戦に臨む。
前半6分、ゴール前ラックからルーキーNO8、古寺直希が抜け出し先制すると、ブレイクダウン、スクラムで優位に立って3連続トライ。後半はCTBヴィリアミ・ツイドラキに何度も走られ点差を詰められたが、BKの展開力とモールでも強さを見せて突き放した。
最終スコアは66-26。10トライを奪って大勝した。
福山主将は「練習では走り込みを増やしてきたので、80分間通して足をつる選手が少なくなった」と言った。今季は神本健司チームディレクターも現場に積極的に関わる。朝練でのウエートトレーニングをグラウンド練習に変更して、走り込みを増やすなど体力強化に着手してきた。
中島総監督は「ラグビーの原点に戻るべきと話をして、昨年よりも少しは走り込みが多くなった。後半20分で突き放せる天理大のような底力のあるチームを作っていかないと勝てない。そうしたチーム作りをしつつある段階」と説明した。
春の関西セブンズフェスティバルでは天理大に勝利し、練習試合(40分1本)でも関西学院大、立命館大に勝っている。着々と力をつけ、関西のダークホースとなれるか。