国内
2021.04.24
五郎丸歩引退。ラストマッチはスタンドから。プレーオフ2回戦でクボタがヤマハ破る
スタンドから、最愛のチームの今季幕切れを、冷静に見守った。
4月24日、トップリーグ プレーオフ2回戦の試合が江戸川区陸上競技場で行われ、クボタスピアーズが、46-12でヤマハ発動機ジュビロを破って準々決勝に駒を進めた。
35歳を迎えたチームの顔、五郎丸歩はこの試合メンバーに入らなかった。理由は、コンディション調整のため。後進にジャージーを託してこの試合は自身の練習に励み、サポートに回った。五郎丸はすでに今季限りでの現役引退を発表しており、チームの敗退は五郎丸自身の選手生活の終幕を意味した。
ヤマハ発動機は2010年に強化縮小の危機に瀕し、その後2014年度に日本選手権優勝を遂げるまでに復活した、特別なチームだ。五郎丸はこの苦しい時期をチームにとどまって支え、引っ張ったリーダーだ。
五郎丸の名が一躍、日本中を駆け巡ったのは2015年。イングランドで行われたワールドカップで、南アフリカを日本が破ったチームで、重要な役割を果たした。日本34-32南アフリカ。世界スポーツ史上最大の番狂わせと言われたこの一戦の日本最初の目を見張る突破は五郎丸のランだった。キックの2点、3点を刻んで勝機をつなぐチームにあって、五郎丸のプレースキックはまさに勝敗を決めた。拝むような特徴的なキックルーティンが、日本のメディアやSNSに躍り、大会で躍進した日本を象徴するアイコン、時の人となった。