国内 2021.04.24
五郎丸歩引退。ラストマッチはスタンドから。プレーオフ2回戦でクボタがヤマハ破る

五郎丸歩引退。ラストマッチはスタンドから。プレーオフ2回戦でクボタがヤマハ破る

[ 編集部 ]

 しかし五郎丸は、順風満帆、初めからエースとしてこのチームに招かれたわけでははい。

 当時のヘッドコーチ、エディー・ジョーンズ(現イングランド代表ヘッドコーチ)が そのポジションに求めたのはアタック能力、とりわけスピードだった。五郎丸の持ち味はフィジカルとキック。しかし、本大会までの激しい練習と競争の中、五郎丸は自分の強みを磨いて指揮官の信頼を勝ち取り、戦力としても、チームを引っ張るリーダーの一人としても欠かせない存在になっていた。

 ブルーのジャージー、赤白フープのジャージーの両方で、栄光もその影も知る人物だ。

 五郎丸についてヤマハ発動機の大戸裕矢主将は言う。

「チームにいるだけで、周囲にいい影響を与えてくれる存在」

 また大戸主将は試合後に、五郎丸についてこう触れた。

「直接何かをいうわけではないけれど、練習中に激しいエナジーを出していて、その気迫が僕らの刺激になっていた。体で見せてくれる先輩がいることで、自分たちもやらなければと思えた。五郎丸さんは今日で引退されるけれど、そのプレースタイルはずっと自分たちの中に残っていくと思う」

 このゲーム、開始2分のヤマハ先制トライの起点になったのは、五郎丸のあと目を継いで背番号15をつけるルーキー、奥村翔。連続攻撃の中で巧みにキックを転がし、味方WTBのトライを演出した。後半31分にはキックカウンターから瞬足を飛ばしトライもあげた。

「ジャージーが着られて嬉しかった」と奥村。

 五郎丸歩、最後の出場となったゲームは4月10日。熊谷ラグビー場でのパナソニック戦だった。

 堀川監督は、試合が終わったから話すのですが、と切り出した。

PICK UP