コラム 2021.04.23

【コラム】延びる試合時間に思う

[ 直江光信 ]
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【コラム】延びる試合時間に思う
NZ州選手権(マイター10カップ)のT M Oのひとこま。2020年9月(Photo/Getty Images)

 子どものラグビースクールの手伝いでたまにレフリーをする。対象が小学校2年生以下ならタグラグビーだ。タックルなし。人数は6対6。ややこしいブレイクダウンは起こらず、プレースピードもそこまで速くない。

 それでも判断を迷うことがしょっちゅうある。まだ小さい子どもだからあまりルール通り厳密に反則をとればゲームが成り立たなくなってしまうし、一方的な展開になると「たまにはこちらのチームもトライを取れるように…」なんて手心が浮かぶこともある。つまり、ジャッジはぶれる。

◆世界トップシーンではレフリーに関わるストレスが少なく感じる。プレミアシップのレフリーたち。

 時々、子どもたちから指摘される。「向こうには何もいわないのに、なぜこっちだけ反則を取られるの?」。悔しさに涙を浮かべた目で見つめられると心が痛む。自分としてはどちらか一方をひいきするつもりなんて微塵もないし、みんなに楽しんでもらいたい一心なのだけれど、なかなか思うようにはいかない。そんな日は、帰宅してからもしばらくへこんだ気持ちが続く。

 そしてつくづく思う。ラグビーのレフリーは大変だ、と。

 100メートル×70メートルのグラウンドで、30人もの選手が集まったり散らばったりしながら、相手をかわし、ぶつかり、パスをつないで、キックを追いかける。それらの事象を、基本的にレフリーとアシスタントレフリーの3人だけでさばくのだから、もはや想像を超えた世界だ。その場その場の判断で完璧なジャッジを求めるのは酷。本当にそう思う。

 ただ。最近のトップリーグを見ていて感じることがある。あまりにもゲームが止まっている時間が長すぎはしまいか。微妙なプレーが起こるたびに、レフリーはもちろんアシスタントレフリーやテレビジョンマッチオフィシャル(TMO)から申告が入り、大型ビジョンに繰り返し映像が流される。そうしたシーンが、1試合に何度もある。競技規則で40分ハーフ+12分以内のハーフタイムと定められているゲームが、終了までに2時間近く要することも珍しくない。

 むろん悪質な反則や危険なプレーは厳しくチェックされるべきだ。特に昨今は選手の安全を守る観点から、頭頸部へのコンタクトやノーバインドでのチャージに厳格に対処する世界的な流れがある。ハードなコリジョンに対し過敏なほど注意深くなるのは、無理のないことかもしれない。

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