第100回、あす準々決勝! みんなの花園② 初めての勝利
15人もの1年生を加えたラグビー部は数だけではなくて、質でもレベルを一つ上げている。
「人数やチームとしての段階もあって、今の3年生までは、僕がリードして練習を進めていました。秋、今回の新しい代の2年生たちには、『モー、オレじゃないよね』と伝えました。キャプテンも自分たちで決めた」
合同が単独になり、苦難の年に多くの部員が集まるまでになり、勝利も手に入れた。これから彼らがしたいことはなんだろう。なんであっても、必ずまた壁にぶち当たる。それをどう乗り越えるかを見たい。
目標はベスト16に決めた。1月10日の2回戦は、青山高校との対戦だ。2年連続で花園予選4強を遂げている都立の星だ。それがどうした。正則には、僕らには、戦える幸せがある。
ほんの、数年前。
部員1人の2年生と2人でくる日も、くる日も練習していた頃の宇田先生の気持ちは寂しいでも、ヤバい、でもない。たったひとりにさせてしまった申し訳なさと、この門の内側ではどうがんばっても人を増やしてあげられない自分への不甲斐なさ。それでも練習に来る生徒への感謝と、支えてくれる、校外の他チームへの感謝だった。
「今も続いている皆さんとの関係が、あの子たちを支えてくれました。いつでも、どんな状態でも受け入れてくれる心優しい皆さんが」(宇田先生)
全国各地ではもう、始まっている次の花園へのチャレンジ。新人戦1回戦のその土のグラウンドは、どこかで、しっかりと東花園の青い芝につながっている。
==========================
◎珠玉のラグビー書籍好評発売中!
・花園の歴史がよみがえる
『高校ラグビー 花園の記憶』
・ラグビーを愛する人たちの思いがつまった鎮 勝也さんの
『ラグビーが好きやねん』
◎第100回大会速報号 2021年1月16日発売!
『第100回全国高校ラグビー選手権大会 決算号』
==========================