フランスラグビー徒然。Novembre(11月)
ところで、マクロン大統領の演説の3日前、ツイッターに、ラグビーグラウンドの脇に設置されている散水用ホースで、裸でシャワーを浴びている男たちのシュールな写真が投稿され、話題になった。
決して前衛アートのパフォーマンスではない。アマチュアスポーツは、ロッカールームの使用が禁止されているため、アマチュアリーグの選手は、試合の前後、屋外で着替えをしなければならないのだ。フランスは秋に雨が降る。バスで片道3時間、長い時は6時間かけて試合のために移動することもあり、試合後、汚れたまま乗車するのを断られることもあるという。
また、10月17日には、パリ、リヨン、トゥールーズ、モンペリエ、ボルドーなど大都市で夜間外出禁止令が出され、午後9時以降の外出が禁止された。
これにより、パリのアマチュアチームは練習ができなくなった。仕事を終えて郊外のグラウンドに集合できるのは夜8時。だが9時までに帰宅していなければならないので、実質15分ほどしか練習する時間がなく、競技を続けることが難しくなっていた。
今は、アマチュアスポーツはすべて1月まで休止となっている。ラグビースクールも休校になってしまった。
パリ近郊に住むジョゼフ(11歳)は、ラシン92の下部組織のスクールに通っている。練習前後に手指の消毒、練習時以外のマスク着用、保護者のグラウンドへの立ち入り禁止、付き添いは8歳未満の子どもに限り1家族につき1人のみスタンドで見学可など、様々な感染防止対策をとりながら、例年通り、週3回の練習と週末は練習試合というリズムでラグビーを楽しんでいた。
今はそのエネルギーをもてあましながら、代表チームや、時々コーチに来てくれるラシン92の選手の試合をテレビで観戦して夢を膨らませている。
ラグビーに限らず、全てのアマチュアスポーツが思うように活動できない中、全般的に競技人口が昨年同時期に比べて減少している。
France TV Sportによると、9月30日現在で、バスケットでマイナス11%、水泳は同10%、柔道に及んではマイナス27%。感染に対する恐怖や、先が見えない不安、また施設の使用が許可されていないというのが原因と考えられている。屋外でプレーするテニスはマイナス1%。サッカーはマイナス0.2%と昨年の登録者数を維持している。