姫野和樹、海外挑戦の決意語る。「いまの自分に必要なのはスーパーラグビーにある」
2018年に日本チームのサンウルブズに加わり、すでにスーパーラグビーで11試合出場の経験があるが、今年のスーパーラグビー アオテアロア(ニュージーランド国内大会)を観て、改めてレベルの高さを感じたという。
「自分に持っていないものを持っている選手が多いとすごく感じました」
もっとスキルを向上させたい。
「ニュージーランドのFWはBKみたいなプレーができる。オフロードの技術や、ランでのサポートコースやボールのもらい方などを吸収したいです。ニュージーランドの選手たちには見えていて、僕には見えていない部分があると思うので、そういったところを伸ばしたいとすごく感じています。ボールキャリアやブレイクダウン、タックルなど自分の強みと弱みをしっかりと理解して、強みを伸ばしつつ、自分の持っていないものを手に入れたいと思っています」
もしサンウルブズが存続していれば(2020年を最後にスーパーラグビーから除外)、オプションのひとつとして考えたかもしれないが、海外に行くことで英語の能力を伸ばしたいという思いもあった。それに、居心地のいい環境を離れ、ハイレベルな選手がいるなかで毎試合毎試合、まずはチームのなかの競争に勝っていかなければならないというところも、日本にいてはなかなか体験できないことだと、海外挑戦の魅力を語った。
フランスのクレルモン・オーヴェルニュに2年契約で移籍した松島幸太朗のように、ヨーロッパのラグビーにも興味があり体験してみたいと思うが、「いまの自分に必要なのはスーパーラグビーにある」と姫野は言う。
海外挑戦はいろんな人に相談した。
トヨタ自動車ヴェルブリッツのディレクター・オブ・ラグビーであるスティーブ・ハンセンとサイモン・クロン ヘッドコーチには、「残ってほしい」と言われた。オーストラリア代表主将のFLマイケル・フーパーも新加入するし、世界最優秀選手に選ばれたことがある元ニュージーランド代表主将のNO8キアラン・リードもいる。そういうプレーヤーから学ぶ経験はなかなかないことだし、海外挑戦のチャンスは今後まだまだある、と。姫野、フーパー、リードという、夢のようなFW3列が観られると楽しみにしていたファンも多かったはずだが、姫野は悩んだ末、海外に出てプレーすることの方が大きなものを得られるんじゃないかと決断した。