国内 2020.10.04
筑波大は準備力で開幕戦勝利! チャンス逃した慶大は…。

筑波大は準備力で開幕戦勝利! チャンス逃した慶大は…。

[ 向 風見也 ]

2人目の防御に掴まれながらバックフリップパスを放つ。最後はFBの植村陽彦が約30メートルをジグザグに走り、フィニッシュ。直後のゴール成功と相まって、17-10と点差を広げた。岡崎主将はこうだ。

「4年生が積極的に引っ張り、フレッシュな下級生にフリーで(ボールを)持たせる。そこができたこともよかったです」

当初は昨季からエース格で3年の松永貫汰がFBで先発予定も、アクシデントにより急遽、植村が繰り上がった格好。しかしその植村は、茨城・茗渓学園高3年時にユースオリンピックの7人制日本代表となった好ランナーだ。緊急登板でも輝きを放った。

17―12と差を詰められた後半20分にも、敵陣10メートル付近左中間から鋭いステップを繰り出し快走。再びトライを決め、直後のゴール成功により24―12と勝利に近づいた。嶋崎監督は安堵する。

「(ベンチ外から繰り上がった)23番の嶋田修は先週まで母校へ教育実習に行っていて、ギリギリ間に合った! 松永は週のなかばで少し痛めた部分があり、100パーセントではなかったので交代させました。ただ植村も松永と同等のランナーと評価していた。少し若いプレーをするのを心配していましたが、いいところを出してくれました」

 他方、大外の防御を破られた格好となる慶大CTBの三木亮弥副将はこう悔やんだ。

「まず立ち位置のところ(の見当を誤ったこと)で、枚数で向こうに上回られた。筑波大さんの本当に素晴らしいランナーにスペースを与えてしまった。それが、走られた要因かなと」

 守っては要所でのカウンターラックも光り、LOの中原健太副将は「チームとしてタックル後に起き上がってラックを超えていくことを意識している。やり切れた」。岡﨑主将はこうも続けた。

「練習ではBチーム(控え)の選手たちが『仮想・慶大』としていいディフェンスをしてくれていました。(本番では)想定できないことが起こると思っていましたが、それをBチームの選手が僕らに想定させてくれていた」

かたや敗れた慶大はFLの山本凱のジャッカルなどで筑波大の反則を誘発。何度もチャンスを手繰り寄せたが、敵陣深い位置での落球、ペナルティーに泣き、初戦を落とした。

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