日本代表 2020.09.16
日本代表は今秋試合せず、年内活動なし。コロナで最低限の準備できず苦渋の決断。来年は…

日本代表は今秋試合せず、年内活動なし。コロナで最低限の準備できず苦渋の決断。来年は…

[ 編集部 ]
オンラインで会見したジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチ

 ジョセフHCは2023年の次回ワールドカップを見据えた日本代表強化の観点から、“エイトネーションズ”を絶好の機会ととらえていた。将来的に長い目で考えたとき、質の高いチーム、質の高い大会、そして質の高いスタジアムでプレーをするということが、日本代表の選手たちが必要とする経験を積むにあたって、非常に効果がある大会だと考えていた。

 それが叶わなかったことに関しては残念だと認める。しなしながら、フラストレーションは感じていないと指揮官は言った。

「やはりコロナウイルスというのは本当にコントロールできないもの、誰も予想していなかったもので、これからどうなるかもわからない。ラグビーだけでなくて、どのスポーツも、例えば野球もサッカーもいま起きてる変化に合わせて一生懸命やりくりをしています。我々も、ニューノーマルに慣れていかなければいけない。今後に関してはコロナの状況が少しでも良くなることを願うとともに、日本協会は、諸外国、特にティア1の協会等と非常に良い関係を築いています。ティア1の国々から日本とぜひやりたいと言ってくれているというポジティブな材料もありますので、そういったところを次の策として見出していければと思っています」

 コロナで混乱したラグビー界。国内最高峰のトップリーグは来年1月に開幕予定なので、日本のトッププレーヤーたちは2020年、3月から約10か月間まったく試合をおこなわないまま終了する。その一方、南半球や北半球の強豪国ではほとんどが国内リーグを実施し、年内に代表同士のテストマッチをおこなうことも決まった。
 ワールドカップでの大成功により日本国内ではかつてないほどラグビー熱が高まったが、次の年に1試合もおこなわないことで、ファンを維持することは難しくなるかもしれない。他国と比べ、出遅れも心配される。

「問題意識はとても強く思っております」
 岩渕専務理事はそう言った。

 それでも、ジョセフHCは今回の日本協会の決断を支持する。
「やはり選手のウェルフェア、安全というのを第一に考えて、今回下した決定は正しかったと思っています。次の2023年のワールドカップへ向けて、時間はまだまだたっぷりある。もっと強くなった日本代表をお見せできるようにしたいと思っていますし、今後に関しては、まずは来年頭に始まるトップリーグを皮切りに、また日本のラグビーが進んでいくということ楽しみにしていきたいと思っています」

 ジョセフHCは実は、ワールドカップ2019を戦いタイトで忙しい日々を過ごしていた選手たちを休ませたいと思っていたという。少しブレイクを与え、もう一度フレッシュになって戻ってきてもらおうと考えていた。
「例えば、リーチ マイケルはオフシーズン中に手術を受け、いまリカバリーに時間を費やしているところです。ほかにもけがをしている選手が多かったなか、一回立ち止まってブレイクができるという点ではポジティブだと考えています」

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