イトジェはサラセンズ残留 プレミアシップから降格も「未来は明るくなるだろう」
選手の年俸総額の上限を定めたサラリーキャップ制度に違反したとしてプレミアシップから厳しい処分を科され、2部リーグのRFUチャンピオンシップへ来季降格することになったイングランドの名門、サラセンズ。選手の流出が心配され、特に海外クラブからのオファーもあって去就が注目されていたイングランド代表LOのマロ・イトジェだが、残留することが7月18日に発表された。
14歳のときにアカデミー生となり、サラセンズで11年間過ごしてきたイトジェは、「サラセンズの文化は何ものにも劣らない。このグループの興奮は巨大だ」と、残留を決めた胸の内を明かしている。「私は本当に未来を楽しみにしており、未来は私たちの過去よりも明るくなるだろう。このクラブにはそれを実現するための基盤が整っていると思う。私たちには才能のある選手、コーチ、スタッフがいる。未来は私たちの手にかかっており、自分たちの運命を形作る力がある」とコメントした。
ロンドンを拠点とするサラセンズはこの10年間で、ヨーロッパチャンピオンに輝くこと3回、イングランド最高峰リーグのプレミアシップでも5回優勝している強豪クラブで、現在25歳のイトジェも中心メンバーのひとりとしてこれらの栄光に貢献してきた。
サラセンズはプレミアシップからは降格するものの、新型コロナウイルスの影響による中断を経て9月再開が決まった2019-2020シーズンのヨーロピアン・チャンピオンズカップではベスト8に残っており、名門の底力を見せようと張り切っている。
サラセンズからは、トップレベルで経験を積む必要がある若手の有望株など多くの選手がローンも含めて他チームへ移籍することとなったが、イトジェのほかにも、イングランド代表主将のCTB/SOオーウェン・ファレルや、同じく2019ワールドカップ準優勝メンバーのHOジェイミー・ジョージ、PRマコ・ヴニポラ、NO8ビリー・ヴニポラ、FBエリオット・デイリーらも残留する。