日本代表 2020.07.13
【再録・ジャパン_06】中村亮土[2013年10月号/解体心書]

【再録・ジャパン_06】中村亮土[2013年10月号/解体心書]

[ 編集部 ]

 それだけ胸に訴えかけるものがあるのが、いまのジャパンだ。招集されて2シーズン。学ぶことは際限なくある。叱られたことも。そのすべてが自分を成長させている。

 ただ、学びの場として参加していては成長のスピードが高まらないことは自身も深く理解している。だから、出場機会が簡単に巡ってくる集団ではないと理解はしていても、メンバー発表のたびに自分の名がなければ唇を噛んだ。出られない理由を見つけようと、自分にベクトルを向けた。

「本当に悩んだ時期がありました。ジャパンを抜けたいと真剣に思った。初キャップを得た後、また、まったく(試合に)出られなくなった。起用してもらえれば力を出せる自信はあったし、結果も残せるのに…と。自分がジャパンにいる存在価値が分からなくなったんです」

 ピッチに立ちたい。出られない。なぜ。自問自答の日々はしばらく続いたが、考え抜いた末に自身の不甲斐なさがすべての根源と気づいた。

「そう理解したとき、本当に情けなかった。帝京で必死に練習している仲間と、不甲斐ないから試合に出られないだけなのに悩んでいる自分を比べて…恥ずかしいな、と。それに気づいてからは吹っ切れました。自分で這い上がるしかないとあらためて心に誓いました」

 ウエールズに勝った試合、勝利に向かって必死に支えあい、ひとつになったチームの姿を見た。この集団から絶対に離れたくないと思った。

「ずっとチームに関わっていたい。2015年のワールドカップに出ようと思うなら、それは当然だと思っています。いつも選んでもらえるようなプレーをしたいし、そういう態度を示したい。そういう毎日を過ごさないといけないと思っている」

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