【再録・ジャパン_03】ピーター・ラブスカフニ [2018年9月号/解体心書]
「チーターズ、ブルズでは、基本同じメンバーでスーパーラグビー、カリーカップを戦います。これまではそこで慣れ親しんだメンバー、同じコーチのもとでプレーしてきた中、サンウルブズでの経験はとても新鮮でした。いろいろな国やチームから選手が集まっていて、私も新しく違ったスキルを学んだ。多くの友人も得ました。
ゲームキャプテンについては、自分が何かをしたということはありません。チームは2人の主将がしっかりまとめていたし、システムも選手に浸透していた。私は周囲の選手から大きなサポートを受けながら、やってきたことを続けただけです。振り返れば、別府の合宿から大枠は何も変わっていません。リーダーシップグループも確立していて、自分たちが何をするべきかを知っていた。そしてチームみんなが、負けても、負けてもハードワークをやめなかった」
サンウルブズは、ラピースがこの国をより深く知るチャンスにもなった。選手のバックグラウンドはさまざま。それでもチームには日本を感じていた。
「サンウルブズが他のどのチームとも違うのは、メンバーがずっと一緒に過ごすことです。期間の長さではなく、濃密さ。自然に選手同士も互いを理解するようになる。それが独特の団結を生んでいると感じます。サンウルブズが劇的な試合をすることと、チームの文化には関係がある。このスコッドははじめから強かったと思っていますが、結果だけが出ずにいた。ただ、着実に築き上げる文化があった。毎週、毎週、改善する。努力をやめない。このチームの将来に、私は楽観的です。間違いなく、もっと高いレベルにいけると思う」
ラピースがラグビーを始めたのは7歳の時。ラブスカフニ家の長男として生まれ、プレトリアのロフタス・ヴァースフェルド・スタジアムには少なくとも3歳から通っていた。ブルーブルズ、ブルズの応援には一家総出。
2人の弟のうち一人はラピースと同じく熱心にプレーし、もう一人の弟は、自らボールを持つことはなかったが、ブルズのシーズンチケットや応援グッズを買い込む熱狂的なラグビーファンに育ったそうだ。