その他 2020.04.08

南アのレジェンド、ダニー・ヘルベルも新型コロナ陽性で療養中。「出歩くなんて狂気。家にいて」

[ 編集部 ]
南アのレジェンド、ダニー・ヘルベルも新型コロナ陽性で療養中。「出歩くなんて狂気。家にいて」
1980年から92年にかけて南アフリカ代表として24キャップを重ねたダニー・ヘルベル(Photo: Getty Images)


 新型コロナウイルス感染者急増を受け、日本の安倍晋三首相は4月7日に緊急事態宣言を発令した。世界全体では感染者数は140万人超、死者は8万人を超えたという。

 3月下旬にはラグビー界でもショッキングなニュースが流れた。

 1980年から92年にかけて南アフリカ代表“スプリングボックス”で活躍したレジェンド、ダニー・ヘルベルが、新型コロナウイルスの検査を受けた結果、陽性だったことが明らかになった。『HeraldLIVE』など現地のメディアが報じた。

 アパルトヘイト(人種隔離政策)で南アフリカが世界から孤立していた時代、ヘルベルの国際的なキャリアは代表24キャップに限定された。
 しかし、パワフルなランナーであり、華麗なサイドステップとスワーブで魅せたヘルベルは、南アフリカラグビー史上最高の選手のひとりと呼ばれ、世界的に見ても歴代最高のCTBのひとりと高く評価された。2007年には国際ラグビー殿堂入りを果たしている。

 現地報道によれば、もうすぐ62歳の誕生日を迎えるヘルベルは、居住しているポートエリザベスで診断。その前の2週間、飛行機に6回乗り、いくつかの場所でゴルフをしたそうだが、熱が出て体に苦痛を感じたため3月26日にドライブスルーテストセンターに行き、翌日、「陽性」が判明したという。

 ヘルベルは、1981年のスプリングボックスのチームメイトたちとゴルフをし、それから4日後に気分が悪くなり始めたとアフリカーンス紙の『Rapport』に語っている。「せきはなく、呼吸の問題もない。でも体が痛い」

 そのときのゴルフ仲間の複数も、ヘルベルの報道があった数日後に陽性が確認された。

 ヘルベルは自宅で療養していたが、彼の36歳の娘も感染したという。現在、家族とは離れて自主隔離している状態だそうだが、『HeraldLIVE』のインタビューで「快方に向かっている」と話している。
 しかし、「非常に怖い」とも語っており、人々には出歩かないように警告した。
「ソーシャルメディアやテレビなどを見ると、人々がまだ歩き回ったり車を運転している。それは完全な狂気だ。家にいて! これは深刻なことであり、誰にでも起こり得ることだと私は言うことができる」

 新型コロナウイルスの感染はアフリカでも急増しており、4月5日時点で、南アフリカでの感染者数は1585人、死者は7人と報告されている。3月下旬から全土で外出を制限し都市封鎖(ロックダウン)状態にあるが、感染拡大の影響で貧困層の失業が広がり、略奪が起きるなど治安の悪化も懸念されている。

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