コラム
2020.03.19
宗像で泣きじゃくったNZの少女、東京オリンピックを目指す。
ホッサムは14歳だった2015年に初めて来日し、ハミルトンガールズの優勝に貢献。そして2016年も参加し、2018年にも母国を代表して3度目の出場を果たしていた。2016年大会は3位だったから、トロフィー奪還への思いが強かったのかもしれない。
しかし決勝を制し頂点に立ったのは、ひたすら走って、ハードタックルを繰り返した石見智翠館だった。
「日本のチームがすごく強かったです。悲しい結果になりましたが、敬意を込めておめでとうと言いたいです」
インタビューをお願いすると、涙をこらえてキャプテンらしくしっかり受け答えしてくれたホッサム。その姿が健気で、励ますつもりで、でも心から素直に「ニュージーランドのチームはいつも、周りからすごく尊敬されています。今日は惜しくも優勝には届きませんでしたが、スピリッツはとても感じられました。すばらしいプレーの数々でした」とこちらが言うと、ホッサムは再び半べそになってしまった。
「ニュージーランドのラグビーをしっかり出し切ろうと思ってたんですけど……。日本のチーム(石見智翠館)がそれ以上のスピリッツを持っていたのかもしれません。彼女たちは勝利の瞬間、すごく嬉しそうにしていた。それを見て、彼女たちが勝つ運命だったんだなと思いました。この大会でとてもいい経験をさせてもらいました。本当に。心からお礼を言いたいです」