イタリア代表の悲しい結末… 中止決定にパリッセ主将「プランBを用意してないのはおかしい」
イタリア代表の選手たちは、4万5000人を収容できる豊田スタジアムでオールブラックスにチャレンジするのを楽しみにしていた。史上3人目となる5度目のワールドカップ出場だったパリッセだけでなく、35歳のアレッサンドロ・ザンニと34歳のレオナルド・ギラルディーニにとっても、イタリア代表として最後の試合だったかもしれず、今年3月の前十字靭帯損傷から奇跡的に大舞台に間に合い、もう一度イタリア代表のジャージーを着てプレーしたいと思っていたギラルディーニは、木曜日の練習時に試合中止決定を知らされ、涙を流したという。
パリッセ主将はチームみんなの気持ちを代弁するかのように改めて言った。
「ワールドカップを開催するときは、別のプランを用意しておくべきだ。イタリアとニュージーランドが中止を望むのならいいが、何度も言うようだが、ニュージーランド(の決勝トーナメント進出)に勝ち点が必要だったら中止にはならなかったはずだ」
現在の142キャップから増える機会を逃したことは気にならないかと訊かれたパリッセは、「そんなことは関係ない。キャップ数のためにプレーしているわけではない。大事なのはチームだ」とコメントした。
18歳だった2002年6月8日にオールブラックス戦でイタリア代表デビューを果たし、約18年間、アズーリのプライドを胸に戦ってきたパリッセ。2008年にイタリア選手として初めてIRB(現 ワールドラグビー)の年間最優秀選手賞にノミネートされ、2013年にも同賞の候補に挙がった世界最高のエイトマン(NO8)のひとり。ヨーロッパの伝統国や南半球の強豪相手に挑み続け、テストマッチで100敗を喫した唯一の男でもある。
ワールドカップ後は、新加入するトゥーロン(フランス)でプレーを続ける予定だが、イタリア代表としてのパリッセを見ることはもうないのだろうか。そうだとしたら、これほど悲しい終わりはない。