ワールドカップ 2019.10.11

イタリア代表の悲しい結末… 中止決定にパリッセ主将「プランBを用意してないのはおかしい」

[ 編集部 ]
イタリア代表の悲しい結末… 中止決定にパリッセ主将「プランBを用意してないのはおかしい」
セルジョ・パリッセにとって最後のワールドカップはラストゲーム中止という悲しい結末だった(撮影:松本かおり)


 ファンやメディアの多くは、36歳のセルジョ・パリッセがイタリア代表“アズーリ”のジャージーを着ることはもうないのではないかと思っている。

 国代表の公式戦であるテストマッチでこれまで142キャップを重ね、ニュージーランドのリッチー・マコウ(148キャップ)に次ぐ世界歴代2位のテストキャップホルダーであるパリッセは、キャプテンとして臨んだラグビーワールドカップ2019日本大会を最後にイタリア代表から引退すると見られていて、世界最強軍団オールブラックス(ニュージーランド代表)との試合がアズーリでのラストゲームになるだろうといわれていた。

 勝てば、イタリアラグビー史上初のワールドカップ8強入りの可能性があった大勝負。しかし、挑戦することができないまま、大会を去ることになった。
 日本に接近している大型台風の影響で、12日に愛知・豊田スタジアムでおこなわれる予定だったニュージーランド対イタリア戦は中止が決定したのだ。この試合は引き分け扱いとなり、2勝1敗1分(総勝ち点12)となったイタリアはプールBの3位が確定し、準々決勝進出はならなかった。

「すばらしいチームと試合をする機会が失われたことはつらい」

 試合中止が決まり、パリッセは落胆していた。そして10日におこなわれた記者会見で、悔しさ、怒りを隠さなかった。

「もしニュージーランドが我々との試合で勝ち点4か5を取らなければならない状況だったら、中止にならなかっただろう。こんな決定はおかしい。日本に台風が来るのは珍しくないのだから、(中止ではなく)プランBを用意していないのはおかしい」

 大会3連覇を狙う世界ランキング1位のニュージーランドに対し、ワールドカップで一度もベスト8入りしたことがないイタリア(現世界ランク12位)が勝つのは困難だというのが大方の予想だった。事実、イタリアは過去にオールブラックスと15試合戦い、全敗。昨年11月にローマで対戦したときは3-66と完敗だった。

「みんなイタリアとニュージーランドの試合が中止になっても特に問題ないと思っているだろう。どちらにしても僕らが負けるからとね。でも僕らもチームとしてリスペクトしてほしい」

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