ワールドカップ
2019.09.26
【コラム】「何かが起きる」のがW杯。
日本開催のW杯が始まった。スイカで改札を抜け、歩きなれた道を通り、スタジアムへ。ほぼスマホで検索した時間に電車が到着、深夜に家に戻って荷物を降ろす。
W杯取材がこんなにスムーズにいくなんて、夢のようだ。これまでの経験で「うまくいかないのがW杯」という概念が刻み込まれているからだ。
海外は言葉の問題だけでなく、様々なところで思いがけぬことが起こる。予期せぬ出来事をどう乗り切るかが勝負。それはオリンピックや他の取材でも同様ではないだろうか。
4年前のブライトン。日本代表対南アフリカの前日練習は、カメラマンとレンタカーで競技場に行ったのに、試合当日は「混むから」と、メディアバスを選択したのが災いした。
試合開始4時間前、市内から出る最初のメディアバスに乗ったのだが、これが大渋滞にひっかかり、うんともすんとも動かない。前日は30分弱で行けたルートが2時間以上もかかった。
ようやくスタジアムに到着すると、カメラマンは機材とレンズをこちらに預け、全速力で駆け出した。大会では毎試合、キックオフ2時間前に「フォトグラファー・ブリーフィング」が開かれ、撮影場所の割り振りがなされる。残念ながらブリーフィングには間に合わず、場所決めはすでに終了、カメラマンは余った場所から選ぶしかなかった。
万全を期して最初のメディアバスに乗ったのに、いきなり遅刻とは…。日本代表の初戦は、個人的にかなりへこんだ状態で迎えたのだった。
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