コラム
2019.08.27
【ラグリパWest】初心者の星。 福田大河(大阪府立寝屋川高校)
【キーワード】寝屋川高校ラグビー部
初心者の星である。
福田大河(たいが)は高校からラグビーを始めた。
今年6月、高校日本代表の候補合宿に呼ばれる。実質2年と少しで、この世代の最高レベルにまで達した。在籍するのは、中央では無名の寝屋川だ。この大阪の府立校は大手前、大阪市立と合同チームを組んでいる。
福田は合宿で同級生から衝撃を受ける。
「やばいくらい、すごかったです」
象徴たる選手の名前を口にした。
「嘉納一千です」
バックススリーで呼ばれた福田は、大阪桐蔭のSOのパスを受けた。ミスがない。
「全部、投げやすいところにきます。ノールックでも正確でした」
嘉納は昨年から正司令塔。初となる同校の冬の全国制覇に貢献した。
ラグビー部の顧問で化学教員でもある中西勇貴は笑う。
「合宿に呼ばれて、だいぶ練習してました」
右利きながら左のスクリューパスを綺麗に投げる。その器用さは、それまでやってきた野球と無縁ではない。楕円球よりも断然小さい白球で指先の感覚が磨かれる。
福田は2001年の5月16日に生まれた。
姫島小の2年から野球を始める。西淀中では大阪淀川シニアに参加。「三番・中堅」。打撃ではクリーンアップを任された。
甲子園出場のある府下の私学複数から誘いを受けたものの、辞退した。
「将来的には勉強の方がいいと思いました」。
もうひとりの顧問、中西と同じ化学を教える水野剛幸は話す。
「勉強は学年で1番です」
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