12年ぶりのW杯制覇へ、南アけん引するのは黒人初主将コリシ! ディアンティなどケガに泣く
10年ぶりに南半球王座を奪還し、1995、2007年大会以来3度目のラグビーワールドカップ優勝へ向けて弾みをつけた南アフリカ代表“スプリングボックス”のラシー・エラスマス ヘッドコーチが、日本開催の大舞台に臨むスコッドメンバー31人(FW 17、BK 14)を決定し、8月26日にジョハネスバーグでおこなわれたイベントで南アラグビー協会のマーク・アレクザンダー会長が発表した。
スプリングボックス128年のテストマッチ史において、初の黒人キャプテンとなったシヤ・コリシがチームをけん引する。前回大会も経験しているFLのコリシは、今年5月にスーパーラグビーの試合で膝に重傷を負い、回復が心配されたが、8月17日のアルゼンチン戦で戦列復帰して指揮官を安心させていた。
その一方で、同試合で足首を負傷したバックローのマルセル・クッツェーは、手術を受けて全治12週間と診断され、初のワールドカップ参加は絶望的となり、最終登録メンバーに選ばれなかった。
そのほか、昨年大ブレイクし、ワールドラグビーの年間最優秀新人賞(ブレイクスルー・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー)に選ばれたWTBアピウェ・ディアンティ、前主将のNO8ワーレン・ホワイトリー、将来のエースと目されるSO/FBダミアン・ヴィレムセも、負傷で苦しみ懸命にリハビリに取り組んでいたが、エラスマス ヘッドコーチはワールドカップまでに準備が足りないと判断し、最終メンバー発表前に実施された合宿には、このスターたちを招集していなかった。
ディアンティは、7月の代表合宿中に受けたドーピング検査で禁止物質に陽性反応を示したことが最近明らかになったが、本人は禁止物質摂取を否定。「フィールドでのパフォーマンスを向上させるために不正をしたことはない。懸命な努力と公正なプレーを信じている」と訴え無実を証明するつもりだが、これとは別問題で、痛めたハムストリングが回復せず悔し涙をのんだ。
8月17日のアルゼンチン戦で背番号12をつけていた宗像サニックスブルース所属のCTBアンドレ・エスターハイゼンも落選となった。
スコッド入りした選手のうち、前回大会を経験しているのは14人。
PRテンダイ・ムタワリラとFL/NO8フランソワ・ロウは3大会目のワールドカップ出場となる。20代前半から国際試合を経験してきたSOハンドレ・ポラード、LOルード・デヤハーなどの成長も頼もしい。
バックローのドウェイン・フェルミューレン(クボタ)、クワッガ・スミス(ヤマハ発動機)、LOのRG・スナイマン(ホンダ)以外にも日本のトップリーグでプレーしたことがある選手はほかにも複数おり、その経験もアドバンテージになりそうだ。
そして、2007年のワールドカップ優勝メンバーであり、かつて東芝ブレイブルーパスでもプレーしたユーティリティBKのフランソワ・ステインも豊富な経験を買われ、2大会ぶり3度目のワールドカップ出場となる。
スプリングボックスは本番前最後のテストマッチを9月6日に埼玉・熊谷ラグビー場で日本代表とおこない、ワールドカップではプールBに入り、ニュージーランド代表、ナミビア代表、イタリア代表、カナダ代表と対戦する。
<ラグビーワールドカップ2019 南アフリカ代表 スコッド>
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テンダイ・ムタワリラ(シャークス/34歳/110 caps) ※ 2011、2015年大会出場
トレヴァー・ニャカネ(ブルズ/30歳/40 caps) ※ 2015年大会出場
ヴィンセント・コッホ(サラセンズ=ENG/29歳/15 caps)
フランス・マルハーバ(ストーマーズ/28歳/31 caps) ※ 2015年大会出場
スティーヴン・キッツォフ(ストーマーズ/27歳/39 caps)
【HO】
スカルク・ブリッツ(ブルズ/38歳/13 caps) ※ 2015年大会出場
ボンギ・ンボナンビ(ストーマーズ/28歳/29 caps)
マルコム・マークス(ライオンズ/NTTコミュニケーションズ=日本/25歳/26 caps)
【LO】
フランコ・モスタート(グロスター=ENG/28歳/31 caps)
エベン・エツベス(ストーマーズ/27歳/78 caps) ※ 2015年大会出場
ルード・デヤハー(ブルズ/26歳/40 caps) ※ 2015年大会出場
RG・スナイマン(ブルズ/ホンダヒート=日本/24歳/15 caps)
【FL/NO8】
フランソワ・ロウ(バース=ENG/34歳/68 caps) ※ 2011、2015年大会出場
ドウェイン・フェルミューレン(ブルズ/クボタ=日本/33歳/48 caps) ※ 2015年大会出場
シヤ・コリシ(主将/ストーマーズ/28歳/42 caps) ※ 2015年大会出場
ピーター=ステフ・デュトイ(ストーマーズ/27歳/49 caps) ※ 2015年大会出場
クワッガ・スミス(ライオンズ/ヤマハ発動機=日本/26歳/4 caps)
【SH】
コーバス・ライナー(ノーサンプトン・セインツ=ENG/29歳/12 caps)
ファフ・デクラーク(セール・シャークス=ENG/27歳/24 caps)
ハーシェル・ヤンキース(ストーマーズ/23歳/3 caps)
【SO】
エルトン・ヤンキース(ライオンズ/29歳/35 caps)
ハンドレ・ポラード(ブルズ/25歳/41 caps) ※ 2015年大会出場
【CTB】
フランソワ・ステイン(モンペリエ=FRA/32歳/60 caps) ※ 2007、2011年大会出場
ダミアン・デアリエンディ(ストーマーズ/パナソニック=日本/27歳/39 caps)※ 2015年大会出場
ルカンヨ・アム(シャークス/25歳/8 caps)
ジェシー・クリエル(ブルズ/キヤノン=日本/25歳/44 caps) ※ 2015年大会出場
【WTB/FB】
ウィリー・ルルー(トヨタ自動車=日本/30歳/55 caps) ※ 2015年大会出場
マカゾレ・マピンピ(シャークス/29歳/7 caps)
チェスリン・コルビ(トゥールーズ=FRA/25歳/9 caps)
ウォリック・ヘラント(ブルズ/24歳/7 caps)
シブシソ・ンコシ(シャークス/23歳/8 caps)