【ラグリパWest】二度目の正直。 四国大学女子7人制ラグビー部
黒田佑美は新人だ。すでにスタンドオフやセンターで公式戦に出る。出身は愛知の栄徳高。トヨタ自動車で日本代表キャップを26つかんだプロップ・山本正人の母校でもある。
在学中に女子部を作る話があったが、最上級生の時に1年生5人が入っただけで、それは実現しなかった。
「ここでは高校の時にできなかった、チームを作る、ということができます」
風通しのよさも気に入っている。
「私は意見を言うタイプなのですが、プレー中、先輩とも言い合えるのがいいです。先輩たちも耳を傾けてくれます」
東海から関西を抜け、四国に入った黒田の冒険はハッピーに進んでいる。
四国大の2年目は順調だ。
入替戦出場を決める「リージョナル・ウイメンズ・セブンズ」の5月の関東、6月の関西の2大大会をともに制した。
決勝戦、関東大会では名古屋レディースを32−0、関西大会では日本体育大のBチームであるユニコーンズを34−5とともに大差で下した。Aチームはすでに太陽生命シリーズに参加している。
創部に力を尽くした佐野義行は目じりを下げる。
「予想以上の成果を出してくれています」
企画監から、今年は事務局長になった。学内では学長、副学長に次ぎ3番目の位置にいる。県の元教育長で、現在は県ラグビー協会の会長も兼任する重鎮が、山中をはじめ部員たちのサポートを変わらず続けている。
入替戦は7月13、14日の週末、横浜にある日本体育大の健志台グラウンドで開かれる。今年はワールドカップ優先のため、日程が凝縮され、4か月ほど前倒しされた。
参加チームは6。コア下位の2と四国大を含む4で争われ、上位2チームが昇格、あるいは残留する。
四国大学は横河武蔵野、アザレア・セブンとともにプールBに入った。このリーグ戦で2位までに入れば、翌日、4チーム構成の決勝トーナメントに進出できる。
そこで、ひとつ勝てば夢が実現する。
「今がラグビーをやって来た中で一番楽しいです。自分たちで自由にできるんです。監督は私たちに合わせてくれます」
井上は快適さを表現する。小3から南大阪ラグビースクールで始めた競技は12年目。その楽しさをさらに深めるためにも、この文月の第2週末は負けられない。