海外 2019.04.17
同性愛者中傷で解雇通告されたフォラウ、審議を要請。世界的スターの未来は…

同性愛者中傷で解雇通告されたフォラウ、審議を要請。世界的スターの未来は…

[ 編集部 ]
フォラウとの契約解除について会見する豪州協会のラエリーン・カッスルCEO(中央)。
左は NSW協会のアンドリュー・ホアCEO(Photo: Getty Images)

 それはオーストラリアラグビー協会も同じだ。
 しかし同協会は、「人種、性別、宗教などによって人々を非難し、中傷し、差別するようなことは許されない。イズラエルには信仰の自由があるものの、投稿の内容は受け入れることができず、こうした方法で信条を主張することはこのスポーツの価値とはそぐわない。ラグビーコミュニティーのメンバーに対する冒涜(ぼうとく)だ」と批判した。

 ラエリーン・カッスルCEOは声明のなかで、「昨年の事件後、イズラエルはワラビーズそしてワラターズの選手として、ソーシャルメディアの使用に関して正式に繰り返し警告されたが、それらの義務を果たすことに失敗した。セクシュアリティなことで人々に失礼なコメントをしたりソーシャルメディアに投稿することは、懲戒処分の対象となることを彼にははっきりさせていた」とコメントしている。
 フォラウとの契約にはソーシャルメディアの使用に関して具体的な条項がないことを明らかにしたが、1年前に同様の騒動があったあと、失礼な投稿をしないよう、書面による合意があったという。

 カッスルCEOはフォラウに行動規範違反の通知を出すことを決定したのは、宗教的理由ではないと述べている。
「これは宗教的な議論ではない。従業員、雇用主の関係、およびその契約内の価値および契約上の取り決めについての議論であり、私たちが彼に違反通知を出した根拠に基づいている」

 NSWラグビー協会のアンドリュー・ホアCEOは、フォラウの契約終了はワラターズまで及ぶ可能性が高いと述べた。

 オーストラリアラグビー協会がフォラウに対して厳しい立場をとるのは、スポンサーからのプレッシャーも大きく関係しているといわれている。現地メディアの『デイリーテレグラフ』によれば、スポンサー4社のうち2社が同協会に「フォラウを解雇しなければ契約を更新しない」と伝えてきたという。
 主要スポンサーであるカンタス航空との現在の契約は年末が期限のため、更新については交渉中だ。カンタスのアラン・ジョイスCEOは同性愛者であることを公にしており、同性婚支持者であり、フォラウの投稿についてカンタスは「本当に残念だ。私たちが支持する包含と多様性の精神を明らかに反映していない」と声明を発表した。
『ジ・オーストラリアン』によれば、カンタスが他のスポンサーと一緒に離れた場合、オーストラリアラグビー協会は2820万豪ドル(約23億円)近く失うことになるだろうと報じており、これは同協会年間総収入の約25%に相当するという。

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