国内 2019.04.06

桐蔭学園が京都成章との準決勝にロスタイム逆転勝ち! 奈良県勢対決は御所実が制す

[ 編集部 ]
桐蔭学園が京都成章との準決勝にロスタイム逆転勝ち! 奈良県勢対決は御所実が制す
最後まで諦めず前に出続けた桐蔭学園が、ラストワンプレーで逆転し決勝に進んだ(撮影:長岡洋幸)

 第20回全国高校選抜ラグビー大会は4月6日、埼玉・熊谷ラグビー場で準決勝がおこなわれ、大会3連覇を狙う桐蔭学園(神奈川)が近畿王者の京都成章に苦しめられたが、ロスタイムに劇的なトライを挙げるなどして21-20で逆転勝ちした。奈良県勢対決となった第1試合は、御所実業が天理との熱闘を22-21で制し、11大会ぶりの決勝進出を決めた。

 春の高校ラグビー日本一を決めるファイナルは、7日に同会場でおこなわれる。

■桐蔭学園×京都成章

 関東王者と近畿王者の激突。
 先制したのは京都成章だった。前半5分、桐蔭学園にハンドリングのミスがあり攻めに転じると、WTB西川彪馬が左外をゲインしてFL延原秀飛につなぎ、トライを奪った。

 追う桐蔭学園は14分、SH亀井健人が敵陣10メートルライン付近の密集を抜けて走り切り同点とする。

 しかし京都成章の9番も負けておらず、18分、敵陣22メートルライン内に入ると、SH宮尾昌典が鋭いステップで防御網を切り裂き、勝ち越し。安定したゴールキッカーのSO辻野隼大はコンバージョンに加えてPGも2本決め、京都成章が13点リードとなった。

 エラーや連係ミスが重なり、なかなかリズムに乗れなかった桐蔭学園だが、後半15分、連続攻撃からWTB秋濱悠太がゴールに持ち込み、コンバージョン成功で14-20とした。

 しかし、残り時間は少なくなり、26分、敵陣深くに入ってすばやく左へ展開し、FB天羽秀太がインゴールに入ったが、ラストパスがスローフォワードと判定され、トライならず。ディフェンディングチャンピオンは追い込まれた。

 それでも桐蔭学園は執念を見せ、ロスタイム、敵陣10メートルライン付近でのスクラムからボールをもらったキャプテンのSO伊藤大祐がディフェンス裏にチップキックを放ち、転々とする楕円球をさらに足にかけ、インゴールへ転がったそれをFL久松春陽大が押さえ劇的なトライ。ポスト正面のコンバージョンキックを伊藤が確実に決め、逆転で熱闘を制した。

全国の高校ラグビー関係者が注目する熊谷での「奈良決戦」は御所実が天理に競り勝った(撮影:長岡洋幸)

■御所実×天理

 奈良県勢対決も1点差の激闘となった。
 御所実は前半4分、敵陣深くで相手にプレッシャーをかけてボールを奪い返し、PR島田彪雅が先制トライを挙げた。

 その後も御所実が攻めたが、耐えた天理は15分、ハーフウェイでのラインアウトからボールをもらったSH山脇一真がギャップを突き、ディフェンダーを振り切ってゴールへ駆け抜けた。SO半田裕己のコンバージョンキック成功で勝ち越す。

 だが25分、天理がラインアウトを乱し、ボールを手にした御所実のLO平井半次郎がゴールへ走り切り逆転、10-7で折り返した。

 後半先に主導権を握ったのは天理で、3分、スクラムからのムーブでおとり役も機能し、WTB豊田祐樹が抜けてゴールラインを割った。7分にはテンポのいい連続攻撃からFB本田飛翔が中央を突破してトライを挙げた。

 しかし、11点ビハインドとなった御所実は10分、WTB安田昂平が敵陣10メートルライン手前から軽快なステップでディフェンダーをかわし、ゴールへ駆け抜け流れを変える。12分にはFB石岡玲英が自陣深くから抜けて80メートル以上走り切り、22-21と逆転した。

 17分、天理のCTB蔦新之助がタッチライン際を駆け上がりゴールに迫ったが、御所PR島田が懸命のタックルで外へ押し出すビッグプレー。

 その後もスコアボードは動かず、御所実が準優勝だった第9回大会以来の決勝進出を決めた。

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