各国代表 2019.02.22

ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ【第3節】 ラグマガ編集部ピックアップマッチ フランスvs.スコットランド

 2月1日に開幕した2019年のシックス・ネーションズは、同10日までに2節を終了した。初戦で世界ランキング2位のアイルランドを破ったイングランドと、昨年3月からのテストマッチ連勝記録を継続中のウェールズが連勝と好スタートを切ったが、他の4チームにも挽回の余地はまだ十分残されている。7か月後に迫ったラグビーワールドカップ日本大会の前哨戦として、例年以上に見どころが多い今季のシックス・ネーションズ。ラグマガ編集部が節ごとの注目カードを解説する本コーナーで今週ピックアップするのは、フランス対スコットランドだ<@サン=ドニ スタッド・ドゥ・フランス、2月23日土曜日23時15分キックオフ(日本時間)>。

ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ【第3節】 ラグマガ編集部ピックアップマッチ フランスvs.スコットランド
左はフランスのダミアン・ピノー。右はスコットランドのグレイグ・レイドロー(Photo: Getty Images)

 前回大会の4位から浮上を期して今大会に臨んだフランスだったが、開幕戦でウェールズに手痛い逆転負けを喫したのに続き、前節はイングランドの巧みなキック戦術に翻弄されて8-44という屈辱的な大敗を喫した。複数のケガ人が出たことに加え、パワフルなイングランドへの対策としてBKの布陣を大幅に入れ替えて臨んだものの、ライン裏へのキックで再三連携面の乱れを突かれるなど、ポジション変更が裏目に出た格好だ。配置を入れ替えるのか、それともキック処理に長けた選手を新たに起用するのか、いずれにせよこの部分をいかに修正できるかが、今節最大のポイントとなるだろう。

 またイングランド戦では、強みのはずのスクラムで劣勢を強いられるシーンも目立った。序盤から失点が重なり、大きくスコアを開けられたことで精神的に受けに回った部分もあるだろうが、タイトなゲームではひとつの要素で優位性を作り出すことが突破口になることも少なくないだけに、ここも次戦までに自信を取り戻したいところだ。

 もっともトライ数1対6の完敗ながら、局面を見れば奮闘を印象づけた選手も少なくなかった。WTBダミアン・ピノーはこの日唯一のトライを挙げたシーンも含め5回の防御突破、77メートルのゲインをマークし(いずれもチーム最多)、ベテランのNo.8ルイ・ピカモールもキック処理のエラーこそ多かったが、80分間フル出場し両チーム最多のボールキャリー数(20回)で最後まで前に出る姿勢と意地を示した。LOフェリックス・ランベやFLアルチュール・イトゥリアなどの若手も、試合を重ねるごとにたくましさを増してきている。もとよりスイッチが入った時は見違えるようなパフォーマンスを発揮するチームであり、わずかなきっかけで大きく変貌する可能性を秘めているだけに、イングランド戦で味わった悔しさがいい方向に働けば、ホームで一変しても不思議はない。

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