海外 2019.02.22

指揮官不在のサンウルブズ、「外」を改善して国内初戦で初勝利なるか。

[ 向 風見也 ]
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指揮官不在のサンウルブズ、「外」を改善して国内初戦で初勝利なるか。
サンウルブズのスコット・ハンセン ヘッドコーチ代行(撮影:向 風見也)

 国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズは2月23日、東京・秩父宮ラグビー場での国内初戦に挑む。優勝経験のあるワラターズ(オーストラリア)を相手に、今季初勝利をつかめるか。21日には千葉・市原スポレクパークで試合前最後の本格的な練習をおこない、スコット・ハンセン ヘッドコーチ代行が意気込みを明かした。

「東京でこのような強い相手とできるのは嬉しいことです」

 16日はシンガポール・ナショナルスタジアムでシャークスと初戦をおこなうも、10-45と惜敗。序盤こそ首尾よくスペースを攻略したが、度重なる反則、新システムを導入して間もないスクラムで苦しんだ。何より攻め込まれた先で、「外」と呼ばれるタッチラン際の防御網を破られた。「外」に立つ選手が極端に飛び出したのが裏目に出たような。

 おもに防御を教えるハンセンは、改善点を挙げる。

「最初の試合でそういうミスが起きるのは当然です。今週は『外側の選手は内側の選手(が務めを果たすこと)を信じ、外の人数をキープしよう』と集中してきました。そこは改善できる自信がある。次の相手はスーパースター(オーストラリア代表FBのイズラエル・フォラウら)を擁しているので、それらを止めることが大事。陣地をどう獲るかのコントロールも大事になると思います」

 4季目にして4人目のヘッドコーチとなるトニー・ブラウンは、国際レベルのコーチに必須と見られる「パーソナルデベロップメント」の期間を消化しなければならないこともあってか、都内のワールドカップトレーニングスコッド(RWCTS)キャンプに帯同している。ワールドカップ日本大会に向けた準備を観察する一方、一部のRWCTSも参戦するサンウルブズでは初戦の指揮を執らなかった。

 RWCTSキャンプは基礎力重視の内容とあって、サンウルブズ側が指揮官の職場復帰を渇望してもおかしくはない。もっともいまの現場を任されたハンセンは「私とブラウンはラグビー観が似ている」とし、こう続けるのだった。

「毎日、会話もしています。彼がいないというより、彼と同じことを私がやっているという感じです。今季はブラウンも日本代表(関連の活動)に行かなくてはいけない、すごくユニークなシーズンですが、こちらも毎日いい準備ができている。大きな問題にはなっていません」

 シャークス戦と比べ、今回は先発を4名、入れ替え、メンバー23名中4名を今季初登録とした。ハンセンは「毎週、毎週、ベストな選手を選んでいる。選手にチャンスを与える意味でもこのようにしました。来週も誰がベストなのかをレビューをして(メンバーを)発表していきたい」と説明する。

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