激戦区制してワールドカップ出場へ。徳永祥尭は、無理なく完璧な滑走を目指す。
落ち着いて勝負する。徳永祥尭は2月4日から、東京・キヤノンスポーツパークで実質的な日本代表候補合宿へ挑んでいる。ラグビーワールドカップトレーニングスコッド(RWCTS)の一員として、心技体を見つめ直す。
身長185センチ、体重100キロの26歳は、器用でタフで嗅覚に長ける。2016年には7人制日本代表として、リオデジャネイロ五輪で4位入賞。以後は15人制へ専念し、2017年春以降10キャップ(代表戦出場数)を取得してきた。昨季までは2シーズン連続でサンウルブズ(スーパーラグビーの日本チーム)にも加わり、2019年のワールドカップ日本大会出場をにらんでいた。
一時的な戦線離脱を決めたのは、昨年10月下旬。当時、首を怪我していたからだ。
折しも日本代表は、世界ランク1位のニュージーランド代表、エディー・ジョーンズ元日本代表ヘッドコーチ(HC)率いるイングランド代表との対戦を翌月に控えていた。徳永もこのツアーの直前合宿に参加したが、なかなか痛みが引かなかったという。
代表常連組の1人で同種の怪我を経験した堀江翔太に相談すると、「(強行出場は)よくない」と返答された様子。最後は自らの意志で、ジェイミー・ジョセフHCへ辞退を申し出たのだった。意志は固かった。
「100パーセントのプレーができないなかで評価されるという状態では、きっと自分もフラストレーションがたまったと思うので」
以後はリハビリに専念した。東芝の一員として臨む国内のトップリーグでは、12月の順位決定戦を回避。2019年1月に入ると、カップ戦で実戦復帰を果たす。自身を除く多くのRWCTS勢が休暇を義務付けられるなか、復調ぶりをアピールできた。
そして2月。最高のコンディションを作り上げながら、ワールドカップ行きの切符を目指している。