各国代表 2018.09.09

NZラグビー発祥の地でオールブラックス初試合 アルゼンチンに苦戦

NZラグビー発祥の地でオールブラックス初試合 アルゼンチンに苦戦
アルゼンチンのディフェンスを突破するNZのシャノン・フリゼル(Photo: Getty Images)
 1870年にニュージーランドで初めてラグビーの試合がおこなわれたといわれる南島北部のネルソンで、国民が世界に誇る代表チームの“オールブラックス”が初めてテストマッチをおこなった。普段はオークランドやウェリントンなど大都市で試合をすることが多いオールブラックスだが、9月8日、人口約5万人の都市にあるトラファルガーパークでアルゼンチン代表と対戦し、46−24で競り勝った。同試合はラグビーチャンピオンシップ(南半球4か国対抗戦)の第3節にあたり、大会3連覇を狙うオールブラックスは開幕から3連勝。アルゼンチン代表は1勝2敗となった。
 世界ランキング9位の格下相手に、ベストメンバーではない布陣で臨んだ黒衣軍は自分たちのミスも多く出てやや苦戦した。
 最初のトライを挙げたのはアルゼンチンだった。前半15分、ターンオーバーからボールを動かし、WTBラミロ・モヤーノがハーフウェイから攻め込んで軽快なステップでディフェンダーを翻弄し、そのままゴールに持ち込んだ。
 しかしオールブラックスは18分、代表2キャップ目のFLシャノン・フリゼルの力強い走りからチャンスとなり、つないでWTBネヘ・ミルナースカッダーが右隅にフィニッシュ。その後しばらく、アルゼンチンのしぶとい守りに手を焼いていたが、30分にフェイズを重ねゴールに迫ると、SHのTJ・ペレナラが間隙を突いてトライゲッターになった。
 アルゼンチンは35分、カウンターでSOニコラス・サンチェスがディフェンスを突破し、右外でサポートについていたCTBマティアス・モローニにつなぎ、トライかと思われたが、グラウンディング寸前わずかにタッチラインを踏んでいたことがTMO(テレビジョンマッチオフィシャル)で確認され、得点ならず。
 18−7とオールブラックスがリードして前半を終えた。
 ハーフタイムをはさんでもオールブラックスはリズムに乗れず、逆にアルゼンチンは後半早々、敵陣深くのブレイクダウンでボールを奪い返し、FWで近場を突いてゴールに迫り、最後はSOサンチェスがゴールラインを割った。コンバージョンも決まり4点差とする。オールブラックス戦初勝利を目指し、南米の雄には勢いがあった。
 一方、自分たちのミスもあり波に乗れなかったオールブラックスだが、経験豊富なベテランが流れを変えた。
 49分(後半9分)、副将のFBベン・スミスが突破してチャンスとなり、テンポよくつないで、主将のNO8キアラン・リードがタックルされながらもインゴールに押さえた。58分にはCTBアントン・レイナートブラウンが抜け出し、SHペレナラにつないでリードを広げた。
 粘るアルゼンチンは70分、ゴール前のスクラムから攻め、走り込んできたFBエミリアノ・ボフェリがSOサンチェスからショートパスをもらって抜け、トライ。コンバージョンも決まって8点差とする。
 しかし、自国ラグビー発祥の地で初めておこなった歴史的一戦で負けるわけにはいかないオールブラックスは、73分過ぎ、16フェイズ重ねた攻撃をFLフリゼルがフィニッシュ。さらに試合終了前、ターンオーバーからチーム6つ目のトライをCTBジャック・グッドヒューが決め、アルゼンチンを退けた。
 総勝点を15に伸ばしたオールブラックスは次節(9月15日)、地元ウェリントンで2位の南アフリカ代表(総勝点6)と対戦し、ボーナスポイント付きで勝てば、2戦を残して優勝が決まる。アルゼンチン代表はゴールドコーストに移動し、オーストラリア代表に挑む。

PICK UP