国内 2016.01.19

2007年W杯のヒーロー、元日本代表BK大西将太郎が現役引退を発表

2007年W杯のヒーロー、元日本代表BK大西将太郎が現役引退を発表
2007年ワールドカップで活躍した大西将太郎(Photo: Getty Images)
 2007年ラグビーワールドカップのカナダ戦ラストに劇的な同点ゴールキックを決めてファンを熱狂させ、日本代表として33キャップを獲得した大西将太郎(37歳)が、1月18日、今シーズンをもって現役を引退することを自身のSNSで発表した。
 大西はインスタグラムでこう語っている。
「9歳から始めたラグビー。ここまでプレーした28年間、世界中のたくさんの人達と出会い、仲間に支えられ、対戦し、ファンの皆様に応援していただき、取り組んできたラグビー。今まで出会った人達、全ての方々のおかげで、最高のラグビー人生。誰か1人でも欠けたとしても完成しないストーリーでした」
 大阪府出身。布施ラグビースクールで楕円球を持ちはじめ、啓光学園高校では花園に出場して全国高校大会準優勝、高校日本代表にも選出された。同志社大学では主将を務め、関西大学Aリーグ連覇を達成、全国大学選手権ではベスト4に導いた。
 大学卒業後はワールドに進み、トップリーグが発足した2003年から日本最高峰リーグの第一線で活躍。その後、ヤマハ発動機、近鉄、そして現在所属している豊田自動織機と渡り歩き、トップリーグ通算142試合に出場してきた。キッカーとしても優れ、トップリーグ通算542得点。2007-2008年シーズン(ヤマハ所属時)は得点王とベストキッカー賞に輝き、12番でベストフィフティーンにも選出された。
 SO、CTBとしてプレーした大西は、大学生の頃から日本代表入りし、21歳だった2000年5月20日(秩父宮ラグビー場)のフィジー戦でテストマッチデビュー。2007年にフランスで開催されたワールドカップのメンバーに選ばれ、3試合に出場。最終戦となったカナダ戦では、試合終了間際にCTB平浩二のトライで2点差としたあと、重圧がかかるなか難しい位置からのコンバージョンキックを決め、1995年大会から続いていた日本代表のワールドカップでの連敗を止めた。大西もまた、誇り高き“ブレイブブロッサムズ”のひとりだった。
 現役引退を決意し、「いつかはこんな日が来るとは思ってはいましたが、直面するとさよならはさみしいものです。しかし、悔いはありません。毎日、毎試合、出し切ってきたので…」と綴った大西。
 豊田自動織機シャトルズでプレイングコーチだった今季はこれまで試合出場しておらず、今週土曜日、1月23日におこなわれるサントリーとの9位・10位決定戦が彼にとってのラストゲームとなる。舞台は、大西が生まれ育った大阪の花園ラグビー場だ。
<2007年ワールドカップ 日本代表×カナダ代表 大西将太郎の同点ゴール>

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