国内 2016.01.09

勝って「正義」を貫く。パナソニッククオリティーがキヤノンを圧倒

勝って「正義」を貫く。パナソニッククオリティーがキヤノンを圧倒
力走するパナソニックのPR川俣直樹(撮影:松本かおり)
<ラグビートップリーグ LIXIL CUP 1回戦>
パナソニック 46-6 キヤノン
(2016年1月9日/神奈川・ニッパツ三ッ沢球技場)
 形無しの状態から形を作る。
 パナソニックがらしさを示したのは、前半12分頃だった。
 ハーフ線付近で相手の蹴った球を捕るや、パスを受けたWTB児玉健太郎が中央でラックを形成。左右にできた陣形のうち右へ振ったら、以後は接点を作るたびに周りの陣形が効果的に守備網を破る。
 
 途中、キヤノンも球際で競ったが、攻め続ける側のFL劉永男は「1人ひとりがしっかりクリーンアウト(排除)できた」。PR川俣直樹がインゴールを割るなどし、10-0とリードを広げる。後に好タックルを放つLO谷田部洸太郎は、「練習通りです」。本番で実力を発揮する、何でもないような凄味の発露だった。
 34分にはLOヒーナン ダニエルの一時退場処分を受けるも、直後、自陣ゴール前で粘りの防御を繰り出す。こちらも、この人たちらしさだ。
 タックルした者がすぐ起き上がり、スペースを埋める。最後は相手の落球を誘い、ハーフタイム間際にはSOヘイデン・パーカーのペナルティゴールで23-3とする。ここで勝負をほぼ決めたか。序盤こそ好タックル連発だったキヤノンの南アフリカ代表FBウィリー・ルルーも、後半はハンドリングエラーを連発した。
「いろいろなことをしようとしましたが、上手くいかず…。もちろん、フラストレーションはたまっていた」
 試合後。公式会見でパナソニックのHO堀江翔太主将はレフリングについて苦言を呈していた。「基準がばらばらですよね。いいプレーもダメと言われていたら、国際試合にも響く」。勝ったからこそ、熱を込めて自分の正義を話せた。
(文:向 風見也)

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